行政犯(読み)ギョウセイハン

デジタル大辞泉 「行政犯」の意味・読み・例文・類語

ぎょうせい‐はん〔ギヤウセイ‐〕【行政犯】

行政上の取締法規に違反する行為で罪となるもの。→法定犯

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精選版 日本国語大辞典 「行政犯」の意味・読み・例文・類語

ぎょうせい‐はんギャウセイ‥【行政犯】

  1. 〘 名詞 〙 行政上の目的のための取締法規に違反する行為。道路交通法違反、出入国管理令違反、税法違反などの罪の類。法定犯。取締犯。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「行政犯」の意味・わかりやすい解説

行政犯
ぎょうせいはん

行政法規に違反する犯罪自然犯刑事犯)に対する観念。刑事犯は、法の規定を待つまでもなく社会生活上当然に犯すべからざる道徳的本分に違反し、法益に現実に侵害を加えるために処罰されるべき行為で、それ自体反社会性・反道義性を有するものであるのに反し、行政犯は、行政上の目的のためにする命令禁止に違反し、行政目的に違反するがゆえに反社会性をもつとされる行為である。行政犯に対する刑罰行政刑罰であり、自然犯に対する刑罰が刑事罰である。刑事犯の規定は、「人を殺したる者は……の刑に処す」というように、人を殺すことは許されないことを前提として処罰規定を置いているのに対し、行政犯の場合には、一定の行為を命令禁止する規定が先行し、これに違反した者を処罰するという規定が置かれるのは、前記の行政犯と刑事犯の違いを反映している。

[阿部泰隆]

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改訂新版 世界大百科事典 「行政犯」の意味・わかりやすい解説

行政犯 (ぎょうせいはん)

行為自体が反道義性・反社会性を備えた刑事犯(自然犯)に対して,行政目的を達成するための法規の命令に違反することにより反道義性・反社会性を帯びる違法行為(法定犯)ととらえるのが通説である。行政犯の概念は,刑事犯に適用される原理立法論・解釈論上制限,修正するために用いられる。しかし行政犯と刑事犯の区別の是非・基準について,見解は一致しておらず,両者が相対的・流動的なことも認められている。行政犯に科せられる罰が行政罰である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「行政犯」の意味・わかりやすい解説

行政犯
ぎょうせいはん
Verwaltungsdelikt

行政罰を科せられるべき非行。刑事犯が反道義的,反社会的な非行であるのに対して行政犯は法規に基づく命令禁止を前提とし,その命令禁止に違反するために反社会性をもつ点に違いがある。行政罰には行政刑罰秩序罰がある。

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百科事典マイペディア 「行政犯」の意味・わかりやすい解説

行政犯【ぎょうせいはん】

法定犯

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