材料に衝撃的に力が加わるときの抵抗、すなわち材料のねばり強さ(靭性(じんせい))、もろさ(脆性(ぜいせい))を判定するために行われる材料試験。力の加わり方により、引張り、圧縮、曲げ、ねじりの各衝撃試験がある。工業的に行われるのは衝撃曲げ試験で、シャルピーCharpy衝撃試験機やアイゾットIzod衝撃試験機が使用される。なお、アイゾット試験はアメリカやイギリスで主流となった時代もあったが、今日ではシャルピー試験のほうが主流である。シャルピー衝撃試験では、規定の切込みをつけた正方形断面の角棒試験片が用いられ、その両端を支持して切込みの背面からのハンマーの1回の打撃で切断する。衝撃値は試験片の切断に要したエネルギーから求められるが、切断の際の様相がきわめて複雑で、材料、温度、試験片の形や寸法の影響を大きく受けるため、材料固有の値とはいえない。しかし機械材料の衝撃力に対する抵抗は、低温や切欠きのために材料がもろくなる性質を知るうえでとくに重要であり、シャルピー試験機に衝撃力検出装置などをつけて、さらに多くの情報を得て機械部品の設計資料としようという試みがなされている。
[林 邦夫]
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…機械,構造物などを合理的に設計するには,材料の性質をよく知っていることが必要であり,材料試験は工学のもっとも基礎的な部分をなしている。
[材料試験の種類]
材料試験には,加える荷重の種類によって,引張試験,圧縮試験,曲げ試験,ねじり試験などの区別があり,また荷重の変動のしかたによって,荷重が十分ゆっくり加わる静的試験,繰返し荷重が加わる疲れ試験(疲労試験),衝撃荷重が加わる衝撃試験などの区別がある。さらに,これらの条件の種々の組合せが考えられるので,材料試験には非常に多くの種類があることになる。…
※「衝撃試験」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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