コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

被爆体験者

2件 の用語解説(被爆体験者の意味・用語解説を検索)

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

被爆体験者

長崎原爆の爆心地から12キロ圏内で原爆に遭ったが、国が指定する被爆地域(爆心地から南北約12キロ、東西約7キロの範囲)外にいた人を被爆者と区別して「被爆体験者」と呼ぶ。被爆者には被爆者健康手帳が交付されるほか、医療費の自己負担が原則無料になり、特定の病気になると月額約3万4千円の健康管理手当も支給されるが、被爆体験者はこうした援護の対象外。被爆体験による精神疾患とその合併症に限り、2002年から医療費補助を受けられるようになった。

(2016-05-24 朝日新聞 朝刊 2社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

被爆体験者
ひばくたいけんしゃ

1945年(昭和20)の長崎原爆投下時に、爆心地から半径12キロメートル圏内にいながら、国が定めた被爆地域(爆心地から南北に約12キロメートル圏内、東西に約7キロメートル圏内の楕円(だえん)形状)外にいた人たち。健康診断の結果、被爆体験による特定精神疾患にかかっているとされた人は、被爆体験者精神医療受給者証を交付され、精神疾患とその合併症に限って医療費(自己負担分)を助成される。しかし被爆地域の外にいたため、原則として被爆者とは認定されず、被爆者健康手帳は交付されない。被爆体験者は「放射線による直接的な身体への健康被害はない」とされており、被爆者のような医療費の原則無料措置や健康管理手当支給などの援護を受けられない。2016年(平成28)1月時点で、医療費の一部助成を受けている被爆体験者は6732人。なお同じ被爆地でも、広島には被爆体験者制度は設けられていない。
 長崎の原爆投下をめぐっては、被爆地域外で被爆した人々のなかでも救済を求める人が後を絶たないため、国は2002年、長崎原爆の爆心地から半径12キロメートル圏内の被爆地域外で原爆投下の被害にあった人を対象に、一部の医療費を助成する長崎被爆体験者支援事業を開始した。支援事業開始当時は、その時点で爆心地から半径12キロメートル圏内に住んでいないと支援対象にならなかったが、2005年に長崎県内の居住者に拡大された。また当初、医療費助成の対象は「感染症・がん・外傷以外の健康被害」であったが、2005年から「精神疾患とその合併症」に絞り込まれた。被爆者と被爆体験者に対する国の医療費助成の差が大きいため、2007年以降、被爆体験者が相次いで被爆者健康手帳の交付を求めて訴えを起こしている。2016年2月には、長崎地方裁判所が被爆地域外で原爆投下の被害にあった被爆体験者でも、年間積算被曝(ひばく)線量が25ミリシーベルトに達したと推定される場合には、被爆者と認める判決を出した。[矢野 武]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

被爆体験者の関連キーワード長崎原爆資料館被爆者広島と長崎の原爆被爆樹木平和案内人長田新(1887~1961)原爆学級山口仙二さん長崎県長崎市平野町山口仙二

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

被爆体験者の関連情報