裁許留(読み)サイキョドメ

デジタル大辞泉 「裁許留」の意味・読み・例文・類語

さいきょ‐どめ【裁許留】

江戸幕府評定所民事裁判記録。元禄15年(1702)から慶応3年(1867)にいたる判例収録原本関東大震災で焼失し、現在は副本2冊が残るのみ。

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精選版 日本国語大辞典 「裁許留」の意味・読み・例文・類語

さいきょ‐どめ【裁許留】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府評定所が編年体に編纂した、元祿一五年(一七〇二)から慶応三年(一八六七)に至る民事裁判記録。四五冊あったが関東大地震で原本は消失し、副本が二冊現存する。江戸時代の民事裁判の形式実体を知る有益な史料

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改訂新版 世界大百科事典 「裁許留」の意味・わかりやすい解説

裁許留 (さいきょどめ)

江戸幕府評定所の民事判例集。1702-1867年(元禄15-慶応3)の判決を編年体に集録したもので,事項別分類等の整理編集はなされておらず,裁許状,裁許請証文のほか,相談書,吟味伺書などの関係書類も収載し,むしろ事件記録原簿的な性格のものといえる。原本(45冊)は1923年の関東大震災で焼失したが,副本が2冊現存するほか,《徳川禁令考後聚》および《徳川時代民事慣例集(司法資料)》に若干が引用されており,内容の一端をうかがうことができる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「裁許留」の意味・わかりやすい解説

裁許留
さいきょどめ

江戸幕府の評定所が編纂した同所の民事裁判の判決記録。元禄 15 (1702) ~慶応3 (1867) 年の判例を年代順に収めたもので全部で 45冊あったが,関東大震災 (1923) のときにすべて焼失した。いまは京都大学に享保5 (1720) ~14年,東京大学に安永7 (78) ~天明2 (82) 年の分の副本各1冊が残り,ほかに逸文が『徳川禁令考後聚』にみえるだけである。評定所は天領大名領とか,大名領と旗本領とか,支配者の異なる土地の人民相互の民事事件を審理する裁判所であったため,山林原野,用水,漁場の入会 (いりあい) をめぐる争いの判例が多い。

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