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裂頭条虫 レットウジョウチュウ

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デジタル大辞泉の解説

れっとう‐じょうちゅう〔‐デウチュウ〕【裂頭条虫】

裂頭条虫科に分類される条虫の総称。体は細長くひも状で、多数の片節からなり、頭節に一対の吸溝をもち、脊椎動物の腸に寄生する。二つの中間宿主を必要とするものが多い。広節(こうせつ)裂頭条虫や、主にネコ科動物に寄生するマンソン裂頭条虫がある。

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大辞林 第三版の解説

れっとうじょうちゅう【裂頭条虫】

条虫綱の扁形動物。俗にいうサナダムシの一種。体は細長いひも状で多数の片節に分かれる。頭部に二個の吸着溝がある。第一・第二中間宿主を経て、ヒトをはじめ脊椎動物の腸に寄生する。日本で多く見られるのは広節裂頭条虫。ミゾサナダ。 → 広節裂頭条虫

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

裂頭条虫
れっとうじょうちゅう
diphyllobothriid

扁形(へんけい)動物門条虫綱擬葉(ぎよう)目裂頭条虫科に属する寄生虫の総称。頭節には一対の吸溝があって宿主の腸粘膜に吸着し、片節には子宮孔があって卵が産み出される。魚類、鳥類、哺乳(ほにゅう)類などに寄生し、発育環には二つの中間宿主を必要とするものが多い。ヒトの寄生虫として重要なものに日本海裂頭条虫やマンソン裂頭条虫がある。
 日本海裂頭条虫Diphyllobothrium nihonkaienseは、ヒト、ヒグマなど(おそらく海産哺乳類が重要な固有宿主と考えられるが、現時点では特定されていない)の小腸に寄生し、日本、ロシア極東地域などに分布する。体長は普通2、3メートルであるが10メートルに達することもあり、体幅1.5~2センチメートル、片節数3000~4000個。宿主の糞便(ふんべん)とともに排出された卵は海中で孵化(ふか)し、コラシジウムという長い繊毛をもった幼虫が遊出する。コラシジウムは第一中間宿主の小型甲殻類に食べられ、その体内で前擬充尾虫(プロセルコイド)に発育する。小型甲殻類が第二中間宿主のサクラマスなどに食べられると、前擬充尾虫は筋肉に移行して擬充尾虫(プレロセルコイド)になる。マス類に寄生する擬充尾虫は約3ミリメートルの乳白色棍棒(こんぼう)状で、北海道の日本海産サクラマスには40%近く寄生していたとの報告がある。ヒトがこのような魚肉を生(なま)で、あるいは加熱不完全のまま食べると感染し、2~4週後には卵を排出する。排便時に片節が自然排出して初めて寄生に気づくことが多いが、ときに腹痛や下痢をおこす。サクラマスなどの生食を避けることが予防の第一であるが、成虫は薬剤プラジカンテルなどで駆虫できる。
 従来、日本でサクラマスなどから感染する裂頭条虫は、北欧原産の広節裂頭条虫D. latumとされていた。広節裂頭条虫の第一中間宿主は淡水産ケンミジンコ、第二中間宿主はカワカマスなどの淡水魚で、マスへの感染は淡水中で起こる。一方、日本のサクラマスは海から遡上(そじょう)してくるものだけに裂頭条虫幼虫の感染がみられ、感染は淡水中でなく、海中で起こることが明らかになった。このため、日本のサクラマスから感染する裂頭条虫は「日本海裂頭条虫」という新種として提唱された。しかし、日本海裂頭条虫の発育環にかかわる動物は、サクラマスとヒト以外は不明の点が多い。ヒトは、偶発的な固有宿主で、自然界には別の固有宿主がいるに違いない。それが、マスを食べる海産哺乳類なのか、ヒグマなどの陸棲(りくせい)の哺乳類なのか、あるいは両方なのか現時点でははっきりとわかっていない。形態学的には、広節裂頭条虫と日本海裂頭条虫は、きわめてよく似ている。
 マンソン裂頭条虫Spirometra erinaceieuropaeiは、主としてネコ科動物の小腸に寄生し、世界各地に分布する。体長60~100センチメートル。第一中間宿主はケンミジンコ、第二中間宿主は両生類、爬虫(はちゅう)類、鳥類、哺乳類である。ヒトへの感染は、トリ、ヘビ、カエルなどの生食による。人体内では成虫にならず、幼虫(擬充尾虫)のまま皮下や筋肉内を移動して、いわゆる移動性腫瘤(しゅりゅう)をつくる。これをマンソン孤虫(こちゅう)症という。ヒトに寄生する擬充尾虫は普通10~20センチメートルで、外科的に摘出する以外に治療法はない。[町田昌昭]

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