日本舞踊の一流派。
(1)(宗家)西川流 初世仙蔵に始まり、江戸中期に2世扇蔵が確立、現在まで10世を数える。藤間流の影響が濃く、縁故も深い。2世、4世が名振付師として知られ、2世は『関の扉(せきのと)』『双面(ふたおもて)』『戻駕(もどりかご)』などの劇舞踊に、4世は『勧進帳』や、また、多くの変化舞踊に傑作を残した。4世の門下から(名古屋)西川流、花柳(はなやぎ)流、七扇(ななおうぎ)流などが生まれ、さらに今日の多くの流派が派生している。
(2)(名古屋)西川流 西川鯉三郎(こいさぶろう)が流祖で、1841年(天保12)に始まる。母体である宗家西川流に、篠塚(しのづか)流や能、狂言を摂取。明治期には宗家西川流にかわる勢力を誇った。2世鯉三郎は歌舞伎(かぶき)出身の特色を生かした技芸、新味ある振付けに実力を発揮。主宰する鯉風会や名古屋おどり、また東宝歌舞伎、花街舞踊などに腕を振るい、文芸作品の舞踊化でも注目された。1983年(昭和58)没。3世家元はその長男西川右近(うこん)(1939―2020)が継承。長女左近(さこん)(1937― )は1985年、西川流鯉風派をたて、分裂した。
(3)(正派)西川流 7世扇蔵の門弟喜代春(1874―1931)が西川喜洲(にしかわきしゅう)を名のり、1916年(大正5)に樹立。現4世に至る。
[如月青子]
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…しかし流派はまた新しい流派や分派を生み,宗家,分家家元などの名称も生じており,現在流派の数は150を超え,今後ますます分派していく傾向にある。 振付師から出た流派では,志賀山万作を流祖とする志賀山流,江戸の振付師藤間勘兵衛から出た藤間流,西川仙蔵を祖とする西川流,幕末期から明治にかけて活躍した初世花柳寿輔が開いた花柳流,若柳吉松の若柳流や,市山七十郎の市山流等がある。また俳優の家から出たものに3世中村歌右衛門を初世とする中村流があり,同じ中村流を名のるものに,初世中村富十郎を祖とするもの,中村弥八(1703‐77)を祖とする虎治派,3世坂東三津五郎より出た坂東流があり,そのほか水木流,岩井流,市川流,尾上流等がある。…
※「西川流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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