覚める(読み)サメル

デジタル大辞泉 「覚める」の意味・読み・例文・類語

さ・める【覚める/醒める】

[動マ下一][文]さ・む[マ下二]
眠っている状態から、意識のはっきりした状態に戻る。「朝早く目が―・める」「麻酔が―・める」
眠けや酒の酔いが消える。「酔いがいっぺんに―・める」
心をとらえていた迷いがなくなる。正気をとりもどす。冷静になる。「悪い夢から―・める」「―・めた目で見る」
[類語]起床離床寝覚め目覚め寝起き朝起き早起き起きる目覚める覚醒かくせいする目を覚ます目が覚める覚ます起こす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「覚める」の意味・読み・例文・類語

さ・める【覚・醒】

  1. 〘 自動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]さ・む 〘 自動詞 マ行下二段活用 〙
  2. 夢や眠りの状態、また、眠くてぼんやりした状態から現実にかえる。
    1. [初出の実例]「夢より醒(サメ)驚きて思ひ怪しび〈興福寺本訓釈 醒 左无〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. 「メガ sameta(サメタ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  3. 眠らないでいる。
    1. [初出の実例]「昼は日ぐらし、夜は目のさめたる限り」(出典:更級日記(1059頃))
  4. 気を失った状態から、正気にかえる。
    1. [初出の実例]「地に(たふ)れて臥し嘿然(しづか)なり。曰(ものい)はず。良(やや)久にありて蘇(サメ)起ち〈国会図書館本訓釈 蘇 サメテ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
  5. 迷いがとける。物思いがはれる。
    1. [初出の実例]「あひ見ても猶なぐさまぬ心哉いくちよねてか恋のさむべき〈紀貫之〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)恋二・七一六)
  6. 酒の酔いが消える。
    1. [初出の実例]「行きて有様も身づからいはむ、かつ文もやらんと、酔ひさめておもひけるに」(出典:大和物語(947‐957頃)一〇三)
  7. しっかりと自覚する。めざめる。
    1. [初出の実例]「醒めよ! 技術家たる前に先づ人たれ」(出典:女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉一四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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