証券仲介業(読み)ショウケンチュウカイギョウ

デジタル大辞泉 「証券仲介業」の意味・読み・例文・類語

しょうけん‐ちゅうかいぎょう〔‐チユウカイゲフ〕【証券仲介業】

証券会社から委託された事業会社個人および銀行が、顧客から受けた株式債券売買注文を証券会社に取り次ぐ仕組み。内閣総理大臣登録を受ける。平成16年(2004)導入。平成19年(2007)に証券取引法金融商品取引法に改正されたことに伴い、証券仲介業は金融商品仲介業名称が変更され、業務範囲拡大された。

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株式公開用語辞典 「証券仲介業」の解説

証券仲介業

証券仲介業とは、「業務を証券取引の仲介に限定した」新たな証券業種で、証券会社等(証券会社、外国証券会社、または登録金融機関)の委託を受けて、その証券会社等のために、「有価証券の売買等の媒介」や「有価証券の募集もしくは売出しの取扱い、または私募の取り扱い」を業としておこなうものである。証券仲介業者は、個人・法人を問わず、内閣総理大臣の登録を受けて証券仲介業を営むことができる。証券仲介業者の業務内容は、取引の勧誘等に限定され、証券取引の契約当事者とはならない。顧客はあくまでも委託元の証券会社と取引をすることになり、顧客口座は委託元の証券会社等が保有・管理し、顧客からの金銭や有価証券の受け入れもその証券会社がおこなう。証券仲介業者は、日本証券業協会の証券外務員資格を取得した担当者を通じて、その証券会社に株式売買の注文を取り次いだり、契約を結んだ証券会社等が取り扱っている投資信託などを販売することができる。証券事故(トラブル)などの場合には、原則として証券仲介業者ではなく証券会社が責任を負うことになっている。この制度は、「証券取引法等の一部を改正する法律」が2004年4月1日に施行されたのに伴い導入され、一般事業会社、会計士税理士などの登録が認められている。さらに同年12月からは、都市銀行地方銀行、信用金庫など(銀行等)も証券会社または外国証券会社からの委託を受けて同様の業務をおこなうことが認められた。銀行等も、証券会社からの委託を受けて売買の媒介や募集の取扱いをおこなうことができるようになる。証券仲介業者や都市銀行、地方銀行、信用金庫など証券取り扱い窓口の拡大を通じて、個人金融資産を証券市場に導く効果が期待されている。

出典 株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント株式公開用語辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「証券仲介業」の意味・わかりやすい解説

証券仲介業
しょうけんちゅうかいぎょう

個人や民間企業が株式、投資信託、債券などの売買を勧誘し、証券会社に取り次ぐ業務。従来は証券会社にしか認められていなかったが、証券商品の販売窓口を多様化し、個人資産の貯蓄から投資への流れを促すため、2004年(平成16)4月から個人や民間企業に認められ、同年12月には銀行など金融機関にも解禁された。

 証券仲介業者は証券会社の委託を受けて顧客を勧誘。顧客は証券会社に口座を開設し、証券会社と有価証券や金銭の授受をする。仲介業者は証券会社から手数料を得る。証券仲介業者となるには内閣総理大臣への登録が必要で、2009年現在、登録数は約600者に上る。個人では保険代理店、ファイナンシャル・プランナー、会計事務所などが多く、民間企業では自動車ディーラーから、銀行、保険会社、郵便局まですそ野が広がっている。インターネットのオンライン・ショップ大手も相次いで仲介業に参入し、ネット証券サービスの拡大につながっている。コンビニエンス・ストアなど証券仲介業への参入で、預金、債券、株式などすべての手続を1か所ですませることができる金融窓口のワンストップ化が進んでいる。

[編集部]

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