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議事妨害 ぎじぼうがい obstruction; filibuster

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

議事妨害
ぎじぼうがい
obstruction; filibuster

議案の成立を阻止するために議事の正常な進行を妨害する反対派による抵抗。議会政治の初期においては少数派の神聖な権利として認められてきたが,近年では議会政治の機能を阻害するものとして否定的である。

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知恵蔵の解説

議事妨害

野党側が対決法案の採決を遅らせ、会期末の時間切れ廃案を狙う国会戦術。議会では多数決原理が基本だが、議事妨害は少数党の抵抗手段として広く許容されており、国民にアピールする方法でもある。議事妨害には様々なものがあり、議案が提出された段階から委員会付託までの間に本会議の趣旨説明を要求したり、先に提出されている案件の優先審議を主張したりするなど、議院運営委員会段階から攻防が始まる。付託された委員会では、参考人の意見聴取、地方公聴会などを要求して、審議拒否も含めて議事の引き延ばしを図る。国民の関心を呼ぶのは、本会議での動議連発、牛歩戦術による採決引き延ばしだ。参院では押しボタン式投票になっているため牛歩戦術はできないと思っている人が多いが、重要案件については記名投票する仕組みがある。2004年の第159通常国会では、年金制度の改正法案をめぐって参院本会議で民主、共産、社民の野党が牛歩戦術をとり、徹夜審議になった。民主党出身の本岡昭次副議長が議長席に着いたときに突然「散会」を宣言して、議事を延ばそうとしたが、自民、公明両党が「無効」として、審議は続行された。戦前の議会では議事妨害は長時間演説が主流。米国では議事妨害はフィリバスターと呼ばれ、1人で24時間18分の長時間演説の記録もある。

(星浩 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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デジタル大辞泉の解説

ぎじ‐ぼうがい〔‐バウガイ〕【議事妨害】

議会で、計画的に議事進行をさまたげること。長時間の演説、多数の修正案の提出、不信任案の提出、牛歩戦術など。多くは少数党の議会戦術として行われる。→フィリバスター

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百科事典マイペディアの解説

議事妨害【ぎじぼうがい】

議会で計画的に議事進行を妨害すること。方法としては長時間演説,審議拒否(空転),度重なる不信任案・修正案などの提出,投票の際の〈牛歩戦術〉,座込み,集団的な議員総辞職願の提出など。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎじぼうがい【議事妨害】

議会の少数派が,合法的手段を利用または乱用することで,議事の進行を計画的に妨害すること。アメリカではとくにフィリバスターfilibusterと呼ばれ,上院で用いられることが多い。長時間の質問演説,各種の動議,とくに先決問題となる不信任あるいは懲罰動議の提出,記名投票の要求や定足数確認要求の頻発,表決に要する時間の遅延工作などが,そのおもな方法である。イギリスでは,1881年,アイルランドに不利な法案に反対する議員が,41時間連続の演説を行って議事を妨害したため,翌年,ギロチンの別名をもつ討論終結制が採用された。

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大辞林 第三版の解説

ぎじぼうがい【議事妨害】

議会で、長時間の演説や動議の提出など、合法的に認められた手段により議事の進行を妨げること。多く少数派が多数派に抵抗するために用いる。フィリバスター。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

議事妨害
ぎじぼうがい

議会で、長時間の演説、各種動議の提出、定足数計算の要求などの合法的手段を利用して計画的に議事の進行や投票を妨害すること。通常、少数派によって行われる。
 アメリカではフィリバスターfilibusterとよばれるが、17世紀に西インド諸島のスペイン領を荒らした海賊freebooterを意味するオランダ語のvry buiterに由来する。のちに、外国に対して私戦を行う者をさすようになり、19世紀以降、議会における議事妨害filibuster in legislationを意味する語として用いられるようになった。自由な討論を伝統とするアメリカの上院では、長時間の演説によるフィリバスターがしばしば行われる。多数派の提出する議案に対して、純粋な討論を目的とするよりは、議案の修正・撤回または会期末の時間切れを目的とする少数派の戦術として利用される。個人またはグループで行われ、1908年ラフォレットRobert M. Lafolletteによる18時間、1935年ロングHuey P. Longによる15時間、1953年モースWayne Morseによる22時間などが記録されており、また、1946年には市民権法案に反対する南部出身議員の組織的フィリバスターが23日間に及んだ。1917年に、過度のフィリバスター防止のため、討論終結の規則the Closure Ruleが定められ、動議により3分の2の多数によって討論を終結し、採決を行うことが可能となったが、実効性に乏しいといわれる。また、イギリス議会においても1770年代にバークEdmund Burkeによって行われた長時間の演説が有名である。
 わが国では1929年(昭和4)旧帝国議会において、選挙区制の改正案に反対する議事妨害が行われた。現憲法下の国会においても、1954年(昭和29)第19国会における社会党の衆議院議長席占拠事件、55年参議院、59年衆議院への警察官導入のときに、不信任案や懲罰動議、修正案の提出、記名投票における牛歩戦術などの議事妨害が行われた。議院規則は、質疑打切りや討論終局の動議(衆議院規則140条・141条、参議院規則111条)の提出や、記名投票の時間制限(衆議院規則155条の2)により議事妨害を規制しているが、暴力的行為は別としても、合法的方法による議事妨害は、少数意見尊重の見地からは是認されるべきである。[山野一美]

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