貞観殿(読み)ジョウガンデン

デジタル大辞泉 「貞観殿」の意味・読み・例文・類語

じょうがん‐でん〔ヂヤウグワン‐〕【貞観殿】

平安京内裏十七殿の一。内裏中央の北端にあり、常寧殿の北に位置した。皇后宮正庁で、後宮事務をつかさどった。御匣殿みくしげどの

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精選版 日本国語大辞典 「貞観殿」の意味・読み・例文・類語

じょうがん‐でんヂャウグヮン‥【貞観殿】

  1. 平安京内裏の殿舎一つ。北端中央に南面し常寧殿に相対する。皇后宮の正庁として使用された。御匣殿(みくしげどの)
    1. [初出の実例]「貞観殿の御かた、この西なるかたにまかで給へり」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)

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改訂新版 世界大百科事典 「貞観殿」の意味・わかりやすい解説

貞観殿 (じょうがんでん)

平安宮の内裏の建物名。内裏の北辺にある。南は常寧殿と渡廊でつながっている。一名,御匣殿(みくしげどの)ともいわれていた。東は宣耀殿,西は登花殿に反(そり)橋でつながっている。《大内裏図考証》では9間4間の東西に長い建物として復元している。《有職抄》では7間四面とあり,7間2間の身舎に,四面に庇をつけたものであった。北面は壇がめぐらしてあり,東西の宣耀,登花両殿との間の北面は瓦垣がつくられていた。平安宮以前の諸宮では貞観殿に相当する建物があったかどうかは確認されていない。平安宮では紫宸殿仁寿殿,承香殿,常寧殿,貞観殿が南北に並んでいるが,平城宮の内裏では,五つの建物が南北に並んで建てられたことがなく,とくに内裏北辺部分は奈良時代を通じて建物の変遷が数多く行われ,平安宮のような形式になったようすはみとめられない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「貞観殿」の意味・わかりやすい解説

貞観殿
じょうがんでん

平安宮内裏(だいり)の殿舎の名。内裏中央の北端にあり、東西7間、南北2間の母屋(もや)の四面に廂(ひさし)がある南向きの建物。宮中雑事を行う女蔵人(にょくろうど)などがおり、内蔵寮(くらりょう)でつくる以外の衣服を調える御匣殿(みくしげどの)があったため「みくしげどの」ともいった。長官である御匣殿別当が女御(にょうご)や東宮妃などになることもあった。

[吉田早苗]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貞観殿」の意味・わかりやすい解説

貞観殿
じょうがんでん

平安京内裏の一殿舎。御匣殿 (みくしげどの) ともいう。皇后宮の正庁で,内裏諸殿舎の最北端に位置し,南の常寧殿に渡り廊で通じている。

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