財神(読み)ざいしん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

財神
ざいしん

中国において,蓄財招福に霊験をもつと信じられる神。武財神と文財神の2系統がある。武財神には関帝廟,五顕財神があり,文財神にはの紂王に諫言して殺された比干をはじめ,管仲,范蠡,猗頓らが祀られている。一般に文財神より武財神のほうが上位とされ,商家などで財神棚を設けるときには関帝上段に,下段には五顕財神を中心に文財神を祀る。祭日は毎年正月2日で,北京の財神をはじめ各地の財神廟は多くの参詣人を集めるが,参詣人は財神に供えた紙銭を持帰り,自宅に祀って翌年これを2倍にして財神に返納するという風習がある。また参詣の帰路,福を持帰るという意味から廟の付近の露店で花かんざしを求めて差して帰るならわしがある。北京以北の地帯ではヒンドゥー教徒の財神マハカラ神に対する信仰があり,また民家の庭に小祠をこしらえ五大家 (ネズミ,ハリネズミ,キツネイタチヘビ) を財神として祀る風習もある。日本においては,えびすをはじめとする七福神福徳を招く財神として信仰され,正月に七福神詣が行われる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ざいしん【財神 cái shén】

中国の財福をつかさどる神をいう。財神の正統的な神格と目される〈増福財神〉〈玄壇神〉〈五顕財神〉をはじめとして〈関帝〉〈比干〉など多種多様の神が奉祀される。〈壇神〉は,古くからよく知られた神で,その名を〈趙玄朗〉〈趙公明〉という。黒面の異形を特徴とすることから,商才にたけたペルシア系のイスラム教徒をまつるとする,〈玄〉を五行説により解釈して北方玄武大帝とする説,あるいはインド・チベット地方のマハーカーラ神が中国化したとする説などがある。

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