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赤あざ(血管腫) あかあざけっかんしゅ Hemangioma

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家庭医学館の解説

あかあざけっかんしゅ【赤あざ(血管腫) Hemangioma】

[どんな病気か]
 皮膚の血管が異常に増えたことが原因でできるあざです。血液が透けて見えるために、いろいろな程度に皮膚が赤く見えます。先天的な病気ですが、遺伝性ではありません。赤ちゃんのあざでは、赤あざ、黒あざ、青あざ、茶あざがほぼ同数みられます。
血管腫の種類
 赤あざは、盛り上がりのない赤あざ(単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)、赤(あか)ブドウ酒様血管腫(しゅようけっかんしゅ))と、盛り上がりのある赤あざ(いちご状血管腫(じょうけっかんしゅ))が大部分を占めます。
■単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)
 単純性血管腫は、境界のはっきりした、赤色から暗赤色の平らなあざで、生まれたときからすでにみられます。からだのどこにでも発生し、自然に消えることはありません。
●単純性血管腫の治療
 単純性血管腫の治療は、レーザー治療が導入されて急速に進歩しました。
 昔は、切除、植皮(しょくひ)、冷凍治療など、傷跡(きずあと)が残る治療が中心でした。単純性血管腫は盛り上がりがないため、化粧で隠すことができるのですが、そこに手術を行なうと皮膚の表面に凹凸(おうとつ)ができ、化粧で隠せなくなることがよくありました。そのため、治療に踏み切るには、慎重な判断が必要でした。通常、12~13歳になって、本人が治療を希望したときに治療を開始したものでした。
 最近では、レーザー器機(色素レーザー)によって、皮膚を傷つけることなく赤みを消失させることができるようになりました。そのために、単純性血管腫の治療は、積極的に行なわれるようになってきました。
 ただし、2~9歳くらいの子どもでは、恐怖感のために暴れ、レーザー照射ができないことがよくあります。そのため、2歳から9歳までの年齢はなるべく避けて、10歳まで待って治療を始める場合と、0歳児から治療を開始する場合とがあります。0歳児の場合は、痛み止めを外用すれば、ほとんど通院で治療できます。
 レーザー照射は、3か月おきに5回行ないます。赤あざのレーザー治療は、保険診療が行なわれています。
■スタージ・ウェーバー病とクリッペル・ウェーバー病
 顔面の広範囲にわたる単純性血管腫の場合、目の異常(緑内障(りょくないしょう))や脳の異常が現われることがあります。これがスタージ・ウェーバー(氏)病で、眼科医と小児科医の診察が必要です。
 足にできる範囲の広い単純性血管腫の場合は、足が不釣り合いに大きくなることがあります。これは、クリッペル・ウェーバー(氏)病です。整形外科医の診断が必要になります。
サーモンパッチとウンナ母斑(ぼはん)
 単純性血管腫と同じ色ですが、額(ひたい)から鼻筋にかけてできる薄い赤あざ(サーモンパッチ)は、大部分が2~3歳で自然に消えます。放置してようすをみ、3歳になっても残っていたら治療するか、0歳児でレーザー治療を始めるかは、家族の希望にしたがって行なわれます。
 うなじの薄い赤あざ(ウンナ母斑)は、サーモンパッチと同様に、自然に消える場合もありますが、成人になるまで残る場合もあります。家族の希望によって、0歳児からレーザー治療を行ないます。
■いちご状血管腫(じょうけっかんしゅ)
 皮膚から盛り上がった血管腫(いちご状血管腫)も、治療法が大きく変わってきました。大昔は切り取る手術が中心でしたが、その後、放置しても5~6歳までに自然に治ってしまう場合があることがわかり、5~6歳までは手を加えず、ようすをみるのがふつうになりました。いちご状血管腫は、生まれたときは目立ちませんが、生後数週間のうちにみるみる目立ちはじめ、6か月ごろまでにどんどん大きくふくらんでしまいます。その後、ゆっくりと色が薄くなり、平らになって、5~6歳で赤みは消えます。5~6歳になっても治らない場合だけ、切除手術が行なわれていました。
 しかし、色素レーザーが導入されてからは、より早く治すために、0歳児から治療を行なう例が増えています。生後1か月目の、いちご状血管腫が盛り上がる前に治療が開始されるのです。
 いちご状血管腫は、無治療で放置しておくと、ただれたり出血することもあります。
 巨大になって、腫れた場合、血小板(けっしょうばん)が減少して、出血傾向(血が止まりにくくなる)となることがあります。これをカサバッハメリット症候群(しょうこうぐん)といいます。
 この場合、早期に適切な治療(放射線療法副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンの使用、切除手術など)を行なわないと生命にかかわることがあります。
 眼瞼部(がんけんぶ)にできたいちご状血管腫によって、目を開くことができなくなる場合があります。この状態が長く続くと、視力の低下をおこすことがありますから、眼科医と小児科医の協力のもと、慎重な治療を行なうことが必要です。
■その他の血管腫
 比較的まれな血管腫ですが、海綿状血管腫(かいめんじょうけっかんしゅ)、皮角血管腫(ひかくけっかんしゅ)、血管芽細胞腫(けっかんがさいぼうしゅ)などがあります。専門医による正確な診断がたいせつです。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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