新潟県南魚沼(みなみうおぬま)郡湯沢町にある温泉。首都圏の奥座敷とよばれ、温泉場・スキー場として有名。川端康成(やすなり)の『雪国』の舞台となった高半(たかはん)ホテルのある湯元(ゆもと)が古く、いまは西山新湯街が中心となり、多くの大温泉旅館や民宿がひしめき、町の人口の65%がレジャー産業に従事している。近世は三国街道(みくにかいどう)の要衝をなす宿場で、上宿、下宿に分かれ、その下宿を湯山宿とよび、古くからの湯元温泉の発祥地であった。近代は近郷農村の湯治場にすぎなかったが、1931年(昭和6)清水(しみず)トンネルの開通による国鉄(現、JR)上越線の開業で発展を遂げた。その後、清津峡の国道17号の改修、上越新幹線駅、関越自動車道のインターチェンジも設置され、湯沢温泉スキー場などへのスキー観光客を含め年間約400万(2011)の首都圏を中心とする利用客でにぎわっている。泉源は3か所あり、泉質は塩化物泉、単純温泉、硫黄泉。
[山崎久雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報