苗場山(読み)ナエバサン

デジタル大辞泉 「苗場山」の意味・読み・例文・類語

なえば‐さん〔なへば‐〕【苗場山】

新潟・長野県境にある火山。標高2145メートル。東麓にスキー場がある。なえばやま。

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精選版 日本国語大辞典 「苗場山」の意味・読み・例文・類語

なえば‐さんなへば‥【苗場山】

  1. ( 初夏、湿原に高山植物ミヤマイが苗代田の稲のように若芽をふくところから ) 新潟県と長野県との県境にある楯状火山。頂上はなだらかな傾斜の溶岩台地で、池塘(ちとう)が点在。山腹に赤湯温泉があり、スキー場として知られる。標高二一四五メートル。

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日本歴史地名大系 「苗場山」の解説

苗場山
なえばさん

中魚沼郡津南町・南魚沼郡湯沢ゆざわ町・長野県下水内しもみのちさかえ村にまたがる。中津なかつ川が西を、清津きよつ川が東を流れ、この間にある山頂で信越国境をなす。標高二一四五・三メートルの死火山。群馬県境の谷川たにがわ連峰とともに上信越高原国立公園内にある。南方に延びる稜線は赤倉あかくら(一九三八・四メートル)佐武流さぶり(二一九一・五メートル)白砂しらすな(二一三九・七メートル、群馬県境)、白砂山の西方の長野県内に岩菅いわすげ(二二九五メートル)、その北方に鳥甲とりかぶと(二〇三七・六メートル)がある。鳥甲山の東方に苗場山があり、白砂山・岩菅山・鳥甲山とはほぼ四角形をなす。火口は中津川に向かって潰欠し、環壁は苗場山東縁から北方お花畑はなばたけに北西に湾曲し、火口内を中津川の支流硫黄いおう川が北西流する。火口壁を南北に裁断するように小松原こまつばら(中里村)の高原が広がる。山頂部は南北約五キロ、東西約二キロの平坦な高原。高原の外周は中津川・清津川に面し浸食がはなはだしい。


苗場山
なえばさん

長野県下水内郡栄村、新潟県南魚沼みなみうおぬま湯沢ゆざわ町・中魚沼郡津南つなん町にまたがる。信濃しなの(千曲川下流)の支流中津なかつ川・清津きよつ川間にある頂上を信越境とする死火山。標高二一四五・三メートル。上信越高原国立公園内にあり、頂上の南北約五キロ、東西約二キロの高層湿原はオオシラビソミヤマホタルイが茂る特別地区。東北方の支峰神楽かぐらみね(二〇二九メートル)は南魚沼・中魚沼両郡境。南方に赤倉あかくら山・佐武流さぶり山・白砂しらすな(群馬県境)の二〇〇〇メートル級の山が続く。

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改訂新版 世界大百科事典 「苗場山」の意味・わかりやすい解説

苗場山 (なえばさん)

長野県下水内(しもみのち)郡栄村,新潟県南魚沼郡湯沢町,中魚沼郡津南町にまたがる成層火山。標高2145m。上信越高原国立公園の北端を占める。山体はおもに新第三紀層とその上に噴出した輝石安山岩類からなる。山頂は平たんで,火口の跡は北西に向かって決壊しており,この部分から赤沢(硫黄川)が流出し中津川に注いでいる。山頂の北には神楽ヶ峰(2030m),日蔭山(1840m)など馬蹄形に尾根が連なり,南西側は押し出した溶岩からなる東西約3km,南北約3.5kmの広大な緩斜面が発達している。緩斜面上には約600の小湖沼が散在し,シラビソの林が美しい。シライケソウ,チングルマワタスゲモウセンゴケ,ニッコウキスゲなど高山・湿原植物の群生地として知られ,苗場山という名も,群生するミヤマホタルイが7月いっせいに芽をふき,苗代田のように見えることから名付けられたという。

 古くから地元農民の信仰の山として名高く,《北越雪譜》にも登山記がみられる。山頂には保食(うけもち)神などをまつる伊米(いめ)神社がある。登山道は湯沢町赤湯,八木沢と栄村小赤沢,上ノ原からのコースが一般的である。近年,登山者は年間1万人をこえ,山頂にある二つのヒュッテ利用者も多い。なお国際級の大会が開かれた苗場国際スキー場(湯沢町浅貝。現,苗場スキー場)は苗場山ではなく,南東の筍(たけのこ)山(1790m)の斜面を中心に開発されたものである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「苗場山」の意味・わかりやすい解説

苗場山
なえばさん

新潟、長野の県境にある楯(たて)状火山。標高2145メートル。山体は輝石安山岩で構成される那須火山系(なすかざんけい)の模式的アスピーテ式火山で、上信越高原国立公園地区に指定されている。山頂の南西面には長さ4キロメートルに及ぶ広大な溶岩原があり、初夏の雪解け期には高山植物のミヤマイが湿原に若芽を吹いて、苗代(なわしろ)田のようにみえるところから山名が生まれたといわれる。頂上の奥の院には伊米(いめ)神社が祀(まつ)られており、古くから信仰の山として名高く、中世は山伏の修験(しゅげん)道場でもあった。表口の東麓(とうろく)は清津川の侵食による清津川峡谷や、赤湯、小出(こいで)、貝掛(かいかけ)などの温泉場や、苗場スキー場など設備の完備したスキー場がある。登山口は上越新幹線越後(えちご)湯沢駅から八木沢(やぎざわ)までバスで行き、三国(みくに)街道の三俣(みつまた)宿から登る三俣口と、西麓の秋山郷(あきやまごう)から登る秋山口などがあり、いずれも頂上まで4~5時間で登れる。

[山崎久雄]

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百科事典マイペディア 「苗場山」の意味・わかりやすい解説

苗場山【なえばやま】

長野・新潟県境,上信越高原国立公園北部にそびえる楯(たて)状火山。標高2145m。名は山頂に点在する沼沢にミヤマイが繁茂して苗代田に似ることに由来。山頂に伊米神社がある。山スキーの適地で,南東方の筍(たけのこ)山山麓には苗場国際スキー場がある。湯沢町の赤湯温泉などから登る。
→関連項目日本百名山湯沢[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「苗場山」の意味・わかりやすい解説

苗場山
なえばさん

新潟県津南町と湯沢町,長野県栄村との境にある那須火山帯の開析された楯状火山。標高 2145m。山体は輝石安山岩から成る。東斜面は清津川,西斜面は中津川に浸食され,メサ (テーブル) 状を示している。山頂には 4km四方に及ぶ溶岩原があり,稲霊をまつる伊米 (いめ) 神社がある。 1961年南東の三国峠 (1244m) に三国トンネルが開通し,苗場国際スキー場などができた。近年北側の山麓で国営による農場開拓事業も行われた。上信越高原国立公園に属する。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「苗場山」の解説

なえばさん【苗場山】

新潟の日本酒。酒名は、苗場山を源とする中津川の伏流水を仕込み水に使用していることから命名。純米酒本醸造酒などがある。平成5、7、9、25年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は五百万石など。仕込み水は苗場山の伏流水。蔵元の「瀧澤酒造」は明治40年(1907)創業。所在地は中魚沼郡津南町大字下船渡戊。

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事典・日本の観光資源 「苗場山」の解説

苗場山

(新潟県・長野県)
日本百名山」指定の観光名所。

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