越後質地騒動(読み)えちごしっちそうどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「越後質地騒動」の意味・わかりやすい解説

越後質地騒動
えちごしっちそうどう

享保7 (1722) 年,越後頸城郡の天領の村々から起った質地取戻しの農民騒動。享保7年4月の江戸幕府法令『流地禁止令』が難解なことから質置人らは自己に有利に解釈し,質地取戻しの願書を代官所に提出したが,受入れられなかったため大挙して取戻しを敢行した。騒動は 150ヵ村にも波及し,代官所では鎮圧不可能となった。同9年3月,幕府は問題の天領村を高田藩以下5藩の領地として鎮圧を依頼した。高田藩では主謀者を磔 (はりつけ) ,獄門以下極刑に処し,事を収めた。この騒動は出羽村山郡長瀞質地騒動と並び天領支配の弱点を暴露したもので,幕府に衝撃を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「越後質地騒動」の意味・わかりやすい解説

越後質地騒動
えちごしっちそうどう

江戸中期、越後(新潟県)頸城(くびき)郡の天領の農民が、幕府の流地禁止令を徳政と解して、質地取戻しを要求して起こった事件。出羽(でわ)(山形県)村山郡の長瀞(ながとろ)質地騒動と並び称せられる。

[編集部]

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