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質地 シチチ

デジタル大辞泉の解説

しち‐ち【質地】

土地を質入れすること。また、その土地。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

しっち【質地】

金銭を貸借するために担保として入れた土地をいう。質地による金銭の貸借は古代班田制下の墾田や荘園制下でも一部に行われ,貨幣経済の発展した室町時代には畿内を中心とした地域で進展した。しかし質地という不動産の取引が一般的形態となるのは近世である。近世の最も基本的な土地立法の一つに1643年(寛永20)3月の田畑永代売買禁止令がある。ところで,中世から近世初頭にかけての売買には,(1)永代売,(2)年季売,(3)本物返売という三つの概念があり,現在いうところの売買の概念は(1)を意味し,(2)は一定の期限をつけて田畑を売買し,(3)は借りた金銭を返納して担保の田畑を受け戻すという売買である。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

しちち【質地】

しっち【質地】

土地を質入れすること。また、質入れした土地。

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世界大百科事典内の質地の言及

【小作制度】より

…また小農生産力の上昇は手作大経営を縮小させ,その分を小作に出して,いわゆる第2次名田小作の形態を発生させた。【安孫子 麟】
[近世小作制度の諸相]
 近世の小作については最も体系化された地方書である《地方(じかた)凡例録》では,〈自分所持の田畑を居村・他村たりとも他の百姓へ預け作らせ,又は田畑を質地に取り,元地主にても別人にても小作させ,年貢の外に余米又は入米などゝと云て,壱反に何程と作徳を極め作らするを云,元来は佃と云ものなれども,世俗小作と唱へ来る〉と述べており,預作,下作,掟作,請作,卸作,掛け放ちなどとも呼ばれた。小作地の大部分は田畑であるが,屋敷地,山林などの地目も対象となり,一部の地域では牛馬などの家畜も小作の対象となっている。…

【享保改革】より


[経済政策と都市政策]
 1695年(元禄8)幕府は田畑の質入れを認めるが質流れを認めないそれまでの方針を改め,証文に質流文言がある場合は質流れを認めることとしたが,1722年4月流地禁止令を出し元禄以前の方針に戻した。この趣旨を拡大解釈し質地騒動が越後頸城郡や出羽長瀞で起こったので翌年8月撤回し,41年以降田畑永代売買の罰則を軽減したため,地主的土地所有形成の条件が作られた。一方元禄ごろから深刻化した物価騰貴に対し,1723年三都の町奉行に諮問し,翌年2月物価引下令を発した。…

【質】より

…(2)貸借契約の場合 第1に不動産の質入れには,入質と見質の別があった。入質は契約と同時に質地の占有が貸主に移転するもので,これに2形態あった。すなわち,借主が負債を返還するまで貸主が質地からの収益を獲得するものと,貸主が元利相当分の収益を獲得した上で借主に返還するものである。…

【百姓】より


[百姓経営の分解と地主・小作関係]
 17世紀末~18世紀初頭以降における上述のような農業の発達は,百姓経営(小農経営)に担われた農業生産力の発達である。大坂周辺農村では元禄期(1688‐1704)には農産物の販売がみられ,田畑永代売買禁止令下での事実上の永代売が行われ,それにともなって百姓所持地の集中と喪失がすすみ,質地小作関係が展開する。1723年(享保8)の流地禁止令撤回を経て,質地小作は各地で広範に,急速に展開する。…

※「質地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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