跳ね(読み)ハネ

デジタル大辞泉 「跳ね」の意味・読み・例文・類語

はね【跳ね】

跳ねること。「ウサギひと跳ねする」
水や泥が飛び散ること。また、その水や泥。「跳ねが上がる」
その日の興行が終わること。打ち出し。「芝居跳ねどき
おてんばなこと。また、その人。おはね
「香山家三人の女子むすめの中、かみは気むずかしく末は―にて」〈一葉暁月夜
(「綽」とも書く)囲碁で、互いの石が接するとき、相手進行を止めるために斜めに打つこと。
物事や話などの結末
「是を―にもうなうぢゃあるまいか」〈浄・女舞衣
[類語](3打ち出し終演閉幕

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「跳ね」の意味・読み・例文・類語

はね【跳・撥・刎】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「はねる(跳)」の連用形の名詞化 )
    1. はねること。反動をつけて飛び上がること。
      1. [初出の実例]「武部七郎、妻鹿が鎧の上帯を踏で肩に乗揚り、一刎(ひとハネ)刎て向の岸にぞ着ける」(出典:太平記(14C後)九)
    2. 水、泥などがとび散ること。また、とび散った泥、水。しぶき。飛沫。
      1. [初出の実例]「Fanega(ハネガ) アガル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    3. 反動。はねかえり。
      1. [初出の実例]「扇子で面を叩かれて、その分にゃア置かれまい、定めてはねがあんべいな」(出典:歌舞伎・傾情吾嬬鑑(1788)序幕)
    4. 人なみより活発なこと。また、でしゃばりなこと。おきゃんなこと。また、その人。おはね。はねかえり。
      1. [初出の実例]「出過(ですぎ)を、はね、飛あがり」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉七)
    5. もてはやされること。大いに受けること。当たりをとること。
      1. [初出の実例]「此子は一はねはねふと思へば、飛つく程慾いから」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)
    6. 芝居などの興行が終演になること。その日の興行が終わること。打出し。
      1. [初出の実例]「急ぐ女気・刎(はね)に最(も)う内案事」(出典:雑俳・歌羅衣(1834‐44)五)
    7. 物事や話などの結末。くぎり。また、話の落ち。
      1. [初出の実例]「是をはねにモウ逝ふじゃ有るまいか」(出典:浄瑠璃・艷容女舞衣(三勝半七)(1772)下)
    8. ( 綽 ) 囲碁で、双方の石が接触しているとき、相手の進路を止める形で自分の石から一つ斜めに打つ手段。
    9. 他人の利得一部分をかすめ取ること。また、そのもの。ぴんはね。撥銭(はねせん)
      1. [初出の実例]「袋に扶持かた米のはね入させ」(出典:浮世草子・武道伝来記(1687)八)
    10. 和船の艫𦨞(ともかわら)の反り上がりのこと。立(たち)ともいう。
      1. [初出の実例]「はば五尺、はね尺七寸」(出典:廻船寸法割方控(18C末))
    11. ( 撥 ) 文字を書くとき、筆の終わりを上にはねて書くこと。また、その文字の部分。
    12. ばね(発条)訓蒙図彙(1666)〕
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙(かぶと)を数えるのに用いる。頭(とう)。〔文明本節用集(室町中)〕

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