発条(読み)バネ

デジタル大辞泉 「発条」の意味・読み・例文・類語

ばね【発条/撥条/弾機】

鋼などの金属材料螺旋らせん状に巻いたり折り曲げたりし、その弾力性を利用してエネルギー吸収蓄積するために用いるものの総称スプリング。「ばねが弾む」
足腰などの弾力性。跳ねる力。「腰のばねを利かせて投げる」
(比喩的に)行動を起こすきっかけ。「失敗ばねに成長する」
[類語](1スプリングぜんまい

ぜんまい【発条/撥条】

弾力性に富んだ帯状などの鋼を、渦巻き状に巻いたばね。巻き締めて、そのほどけようとする力を動力として利用する。
[類語]ばねスプリング

はつ‐じょう〔‐デウ〕【発条】

ばね。ぜんまい。

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精選版 日本国語大辞典 「発条」の意味・読み・例文・類語

ぜんまい【発条・撥条】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 弾力性のある薄い帯状、または線状の金属を渦巻形に巻いたもの。巻き締めて弾圧エネルギーをたくわえ、ほどけようとする力を、時計やおもちゃなどの動力として利用する。渦巻ばね
    1. [初出の実例]「ぜんまひが錆て時計の隙をなみ」(出典:雑俳・裏若葉(1732))
  3. ぜんまいじかけ(発条仕掛)」の略。
    1. [初出の実例]「ぜんまいの雛はぎりぎり直を付る」(出典:雑俳・柳多留‐六二(1812))

発条の補助注記

「ぜんまい(薇)」と相互に語源として説かれるが、用例としては「ぜんまい(薇)」の方が古い。


ばね【発条・撥条・弾機】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「はね(跳)」の変化した語 )
  2. (はがね)などを巻いたり曲げたりして強い弾力性を持たせたもの。衝撃緩和、力の蓄積、はかりなどに用いる機械部品。形によって、板・コイル・竹の子・うず巻などがあり、作用によって、圧縮ばね・伸張ばね・ねじりばねに分けられる。弾機(だんき)。ぜんまい。スプリング。はつじょう。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
  3. はずむ力。はねる力。弾力性。また、反発する力。
    1. [初出の実例]「弾力(バネ)強き心の二郎は」(出典:おとづれ(1897)〈国木田独歩〉下)

はつ‐じょう‥デウ【発条】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ばね。ぜんまい。
    1. [初出の実例]「二十四時を歴(へ)て発条(ハツジャウ)(〈注〉ゼンマイ)故に復り」(出典:造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉八)
  3. ある行動を起こす力、きっかけとなるもの。
    1. [初出の実例]「この両契機を発条とする逞しい国家秩序の合理的組織化は」(出典:日本の思想(1961)〈丸山真男〉一)

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百科事典マイペディア 「発条」の意味・わかりやすい解説

発条【はつじょう】

ばね

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世界大百科事典(旧版)内の発条の言及

【ばね】より

…スプリング,発条ともいう。ばねは〈跳ね〉に由来。…

※「発条」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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