車軸藻植物(読み)シャジクモショクブツ(その他表記)Charophyta

関連語 千原 名詞

精選版 日本国語大辞典 「車軸藻植物」の意味・読み・例文・類語

しゃじくそう‐しょくぶつシャヂクサウ‥【車軸藻植物】

  1. 〘 名詞 〙 植物界の一門。淡水産の緑色糸状体制は、外観上、茎・根・葉に見えるが、維管束が無く、これらを節間部と節間、仮根葉状体という。有性生殖は造精器で作られた精子と生卵器内の卵子受精による。接合体減数分裂をした後、植物体となる。なお、緑藻植物の一綱とすることもある。輪藻(りんそう)類。

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改訂新版 世界大百科事典 「車軸藻植物」の意味・わかりやすい解説

車軸藻植物 (しゃじくもしょくぶつ)
Charophyta

シダ植物のスギナに似た形状の淡水産の藻類で,主軸が節部と節間部から構成されること,主軸から小枝を輪生すること,および多細胞性の複雑な形態の有性生殖器官をもつことなどの特徴から,分類上独立した一群として扱われる。輪藻植物ともいう。名前は輪生する小枝の様子に由来する。クロロフィルabをもち,光合成によりデンプンをつくること,精子が等長の2本のむち形鞭毛をもつことなどから,系統的には緑色植物に所属する。しかし維管束をもたないこと,胚をもたないこと,生活史に胞子体を欠くことで種子植物,シダ植物,コケ植物と区別される。

 世界各地の水田,池沼,湖などに生育し,1目6属に分類される。また化石古生代から見つかっており,化石を含むと20属になる。シャジクモ科は,雌性生殖器官の上端の小冠細胞が5個のシャジクモ亜科と10個のフラスコモ亜科に分けられる。日本産の種類数は変種などを含むと70以上に及ぶ。
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