シダ植物のスギナに似た形状の淡水産の藻類で,主軸が節部と節間部から構成されること,主軸から小枝を輪生すること,および多細胞性の複雑な形態の有性生殖器官をもつことなどの特徴から,分類上独立した一群として扱われる。輪藻植物ともいう。名前は輪生する小枝の様子に由来する。クロロフィルaとbをもち,光合成によりデンプンをつくること,精子が等長の2本のむち形鞭毛をもつことなどから,系統的には緑色植物に所属する。しかし維管束をもたないこと,胚をもたないこと,生活史に胞子体を欠くことで種子植物,シダ植物,コケ植物と区別される。
世界各地の水田,池沼,湖などに生育し,1目6属に分類される。また化石は古生代から見つかっており,化石を含むと20属になる。シャジクモ科は,雌性生殖器官の上端の小冠細胞が5個のシャジクモ亜科と10個のフラスコモ亜科に分けられる。日本産の種類数は変種などを含むと70以上に及ぶ。
執筆者:千原 光雄
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