コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

輸率 ゆりつtransport number; transference number

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

輸率
ゆりつ
transport number; transference number

電解質溶液に電場を加えると,陽イオン陰イオンがそれぞれ陰極,および陽極に移動して電流が流れる。両イオンによって運ばれる全電気量のうち,陰,陽両イオンそれぞれによって運ばれる電気量の割合をそれぞれのイオンの輸率という。陰,陽両イオンの移動度 (単位の電場の強さにおける移動速度) をそれぞれ u-u+ とすると,陽イオンの輸率は t+u+/(u+u-) ,陰イオンの輸率は t-u-/(u+u-) で与えられる。また陰,陽両イオンの当量電気伝導率をそれぞれ λ+,λ- とすると,t+=λ+/(λ++λ-),t-=λ-/(λ++λ-) の関係がある。輸率は J.ヒットルフが電解後の電解質溶液中の電極部の濃度変化から求めたのでヒットルフ数ともいう。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ゆ‐りつ【輸率】

電解液中を流れる全電流のうち、特定のイオンの移動による電流の割合。ヒットルフ数。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

輸率【ゆりつ】

電解質溶液に電流を通じると,溶液中の陽イオンは陰極へ,陰イオンは陽極に移動して電気を運ぶ。このとき流れた全電気量のうちの各イオンによって運ばれた電気量の割合をそれぞれのイオンの輸率という。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ゆりつ【輸率 transport number】

電解質溶液相の内部に電位こう(勾)配があるときには,溶液中の陽イオンは電位の低い方向に,また陰イオンは電位の高い方向に移動する。その結果,全体としては,電位の高いほうから低いほうに向かって正の電荷が運ばれて,それが電流として観測される。時間dtの間に運ばれる正電荷の全量をdQ,特定のイオンiによって運ばれる電荷の絶対値をdQiとするとき,dQi/dQの値をイオンiの輸率という。イオンiが運ぶ電荷dQiは,電位こう配下におけるiの移動速度(移動度)とiの濃度との関数であるから,イオンの輸率は,一般には,溶液の組成によって変化する。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ゆりつ【輸率】

電解液中であるイオンが運ぶ電気量の、全イオンの運ぶ電気量に対する割合。各イオンの輸率の総和は一になる。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

輸率の関連キーワードネルンスト‐アインシュタインの式ヒットルフの輸率測定方法イオン交換膜アベック膜電位総和

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

輸率の関連情報