大正・昭和期のフランス文学者,随筆家 東京帝国大学仏文科教授。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
フランス文学者,随筆家。号は隆酔老。建築家辰野金吾の長男として東京に生まれる。東京帝大法科大学を経て同文科大学仏文科を卒業。1921年東京帝大助教授となり,同時に2年間フランスに留学,帰国後同大学最初の日本人によるフランス文学講座担当者となる。29年《ボオドレエル研究序説》を公刊。32年教授。門下から渡辺一夫,小林秀雄,中島健蔵,今日出海,三好達治,中村光夫らが育った。48年退職し,以後は中央大学教授となる。52年文化功労者に選ばれる。評論集《信天翁の眼玉》(1922),随筆《さ・え・ら》(1931),《忘れ得ぬ人びと》(1939)など多くの著書がある。翻訳にモリエール《孤客》,ボーマルシェ《フィガロの結婚》などがある。
執筆者:富田 仁
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
フランス文学者、随筆家。建築家辰野金吾(きんご)の長男として東京に生まれる。東京帝国大学仏法科、同仏文科を卒業。1921年(大正10)東京帝大助教授に就任直後フランスに約2年間留学、帰国とともに同大学日本人初のフランス文学講座担当者となる。30年(昭和5)文学博士(学位論文は『ボオドレエル研究序説』)、31年教授。従来の祖述的アカデミズムを脱し、美的感覚と広い教養に裏づけられた、機知あふれる清新な学風を確立、門下から渡辺一夫(かずお)、小林秀雄らが輩出した。評論集『信天翁(あほうどり)の眼玉(めだま)』(1922)、研究論集『仏蘭西(フランス)文学』上下(1943、46)、軽妙洒脱(しゃだつ)な随筆『さ・え・ら』(1931)、『忘れ得ぬ人々』(1939)など多くの著書、モリエール『孤客』、ボーマルシェ『フィガロの結婚』などの翻訳を残す。48年(昭和23)東大退職後は中央大学教授を務める。日本芸術院会員(1948)、文化功労者(1962)。
[横張 誠]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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