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通信教育 つうしんきょういくeducation by correspondence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

通信教育
つうしんきょういく
education by correspondence

郵便,ラジオ,テレビなどの通信施設を利用して行う教育。所定の教育計画に基づき,教科書その他の補助教材を受講者に送付し,添削指導,質疑応答,テスト,直接授業 (スクーリング) など,さまざまな方法を活用してその効果をあげるように工夫されている。日本では明治の初期から講義録を用いて行われてきたが,第2次世界大戦後は,教育の機会均等理念の具体化の一方法として制度化された。すなわち,学校教育に準じるものとして大学に通信教育の開設を許し,高等学校に通信制の課程を認め,成人一般をも対象に含めた社会通信教育については社会教育法で定めている。

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デジタル大辞泉の解説

つうしん‐きょういく〔‐ケウイク〕【通信教育】

通学して教育を受けられない者に対して、郵便・テレビ・ラジオなどの通信手段によって一定教育課程を履修させる教育。学校教育法に基づき大学・高校が行う学校通信教育と、社会教育法に基づき公益法人などが行う社会通信教育とがある。

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百科事典マイペディアの解説

通信教育【つうしんきょういく】

広く教育の機会を国民に開放するため,郵便・放送等を利用して行われる教育。日本では1886年東京専門学校(早稲田大学の前身)の講義録が最初。現在,学校教育法社会教育法に基づくものが多く行われている。
→関連項目放送教育

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世界大百科事典 第2版の解説

つうしんきょういく【通信教育】

通学が困難な者に対し,郵便や放送などの通信手段を利用して行う教育方法。1856年にドイツのランゲンシャイトGustav Langenscheidt(1832‐95)が行ったフランス語通信教育が初めであるが,イギリス,アメリカなどにも広がっていった。当初は大学拡張運動の一環として位置づけられ,成人を対象としていたが,後に辺地の義務教育の代替としても利用された。現在ではイギリス,アメリカ,ロシア,スウェーデン,オーストラリアをはじめ,世界各国において広く普及している。

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大辞林 第三版の解説

つうしんきょういく【通信教育】

通学が困難な者を対象にして、郵便またはラジオ・テレビなどの通信手段を用いて行う教育活動。現行では大学・高校・社会通信教育の三つに大別される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

通信教育
つうしんきょういく

郵便、ラジオ、テレビなどの通信メディアを利用して教育を行う形態をいう。通信教育は、教育施設に通うことなく職業などに従事しながら教育機会を得ることができるところに最大のメリットがある。受講する側からすると、時間的・空間的制約をある程度免れ、提供する側からすると、既存の施設、職員を併用することにより物的・人的手段を経済化しうる。こうして通信教育は、定時制教育とともに、教育の機会均等を図るための補助的手段とみなされ、したがって全日制教育の拡充とともに、その比重を小さくする傾向にあった。しかし通信教育は、社会主義国のように実生活と教育との結合という原則から、またオーストラリアやメキシコのように広大な国土に人口が点在する事情から、その国の教育制度の不可欠の部分をなす。さらに1970年代以降、生涯教育論の台頭と通信メディアの進歩により、通信教育の新しい位置づけが必要となっている。[桑原敏明・広瀬義徳]

学校通信教育

通信教育は、学校通信教育と社会通信教育とに大別される。わが国の現行制度では、学校通信教育は大学と高等学校で行われている。[桑原敏明・広瀬義徳]
大学通信教育
大学通信教育は、私立大学に限定されていること、スクーリング(面接授業)の時間がとれないこと、個人学習で単調となり、学習時間をきちんと確保しにくいことなどが問題とされている。
 1981年(昭和56)6月11日放送大学学園法の制定により、85年度より放送大学が開講し、大学通信教育は新局面を迎えた。特殊法人として設置された放送大学は、高度情報化社会の到来を迎えて、生涯にわたる多様な学習者のニーズを保障すべく、テレビ・ラジオといった通信技術を効果的に活用して教育を実施する機関として創設された。学生の受入れは、年齢が18歳以上で、放送大学の放送授業が受講できる人を対象として書類による選考で行われ、入学試験として学力検査は課さず、比較的幅広い受入れをしている。当初、放送大学の対象地域は関東地域に限定されていたが、98年(平成10)からは、通信衛星を利用したCSデジタル放送により全国放送が開始された。学士取得を目的とする全科履修生についても、同年第2学期から全国各地の学習センターへの一斉受入れが開始され、より多くの受講機会が提供されるようになった。受講者は、その学習目的や動機、入学資格などによって履修方法が異なり、(1)全科履修生、(2)選科履修生、(3)科目履修生、(4)特別聴講学生の4種類に分かれている。今後の課題としては、インターネットなどマルチメディアを活用した教育方法を考案・実施していくことなどがあげられる。2002年度文部科学省学校基本調査によると、放送大学に約8万9300人の学生が在学しており、私立大学の通信教育の学生数約13万7000人とあわせると、約22万6300人が大学レベルの通信教育を受けていることになる。また、短期大学の通信教育は、約2万5000人の学生数を数えている。[桑原敏明・広瀬義徳]
大学院通信教育
1999年より始まった大学院通信教育でも、2002年の学校基本調査によると、同年4月から大学院修士課程で学生の受入れを始めた放送大学を含めて14の大学院で通信教育が行われ、約1800人が登録されている。今後は、インターネットなどを活用して、海外の学校や団体が設置・運営主体となって提供する通信教育が増加するとともに、既存の国内の大学院でもこうした通信教育を実施する機関が増えていくことが予想される。[桑原敏明・広瀬義徳]
高等学校通信教育
高等学校通信教育は1948年(昭和23)新制高等学校の発足とともにスタートしたが、当初、定時制の課程の補助的方法として位置づけられた。通信教育のみで高等学校の卒業が認められるようになったのは55年4月の次官通達によってである。その後、独立の通信制高等学校が制度化されたり、面接指導の便宜を図るために他の高等学校を協力校とする制度、ラジオ・テレビ番組の利用による面接指導時間の軽減、定時制・通信制と技能教育施設との連携、広域通信制の導入などの措置がとられ、現在に至っている。全日制高等学校への進学率の上昇とともに、在籍者数は1971年をピークとして減少傾向にあるが、高齢者の利用が高まっている。2002年度文部科学省学校基本調査によれば、通信制高等学校の生徒数は、公立が約10万7500人、私立が約8万4500人で、合計約19万2000人となっている。年齢別構成では、10代が約13万人と大部分を占めるが、ついで20代が約4万6000人と多く、その他は30代と40代があわせて約1万1000人、50代と60代があわせて約4000人となっている。また、同年度の退学者数は約1万5000人強、単位修得者数は約11万1300人、卒業者は3万6000人となっている。卒業者の大学等進学率は11.0%、専修学校進学率は21.3%、就職率は22.1%とされている。
 高度情報化と生涯学習の時代を迎えて、氾濫(はんらん)する情報のなかから有益な情報を編集し、それを多様なチャンネルを使って効果的に学習者へ提供するという社会的要請にかんがみれば、公私を問わず、通信教育の振興と質的改善を図ることが重要な課題となってくる。[桑原敏明・広瀬義徳]

社会通信教育

学校通信教育とは別に、生活や趣味、教養、職業技能などについて種目を特定して学習する社会通信教育がある。社会教育法によると、通信教育とは、「通信の方法により一定の教育計画の下に、教材、補助教材等を受講者に送付し、これに基き、設問解答、添削指導、質疑応答等を行う教育」(50条)である。社会通信教育のうち、一定の要件を満たし、審議会等の答申を経たものについては文部科学大臣がこれを認定している。受講者数は、1970年をピークに減少傾向にあったが、生涯学習の時代を迎え、社会通信教育についても、学習者に占める高齢者層の割合の増加、最新技術教育への志向の高まり、企業内教育への活用、通信教育を実施する民間団体の増加など、新たな動きがみられる。2002年6月現在、文部科学省認定社会通信教育の実施団体数は42団体、課程数は200であり、2001年における1年間の延べ受講者数は約19万5000人であった。需要の多様化や情報通信技術の変化に応じて、新しい社会通信教育のあり方について検討する必要が生じている。[桑原敏明・広瀬義徳]

eラーニング

通信教育の新しい形態として、パソコンやインターネットを中心としたIT関連技術を活用して行う遠隔教育eラーニングが注目されている。パソコンが一般的に普及し始めた1990年代初めごろから、CAI(Computer Assisted Instruction)とよばれてフロッピーディスクやCD-ROMを教材とするコンピュータによる教育システムが登場した。また2000年ごろから、インターネットや企業のイントラネットを利用したWBT(Web Based Training)が双方向性をもった学習方式として関心を集め、eラーニングと総称されるようになった。eラーニングの特徴は
(1)講師の質の違いに影響されないこと
(2)受講者のレベル・理解度に幅広く対応できること
(3)時間に拘束されずに学習できること
(4)学習の進捗(しんちょく)状況や成績が即座に把握できること
(5)同時に多くの受講者が学習可能なこと
などである。eラーニングは今後さまざまな教育分野に取り入れられ、通信教育の形態を大きく変えていく可能性もある。[桑原敏明・広瀬義徳]
『30周年記念誌編纂委員会編『文部省認定社会通信教育 30年の歩み』(1978・社会通信教育協会) ▽私立大学通信教育協会編・刊『開かれている大学――大学通信教育』(1987) ▽白石克己著『生涯学習と通信教育』(1990・玉川大学出版部) ▽奥井晶著『教育の機会均等から生涯学習へ――大学通信教育の軌跡と模索』(1991・慶応通信) ▽西山健児著『通信制高校に学ぶ青春 もう一つの学校』(1998・かもがわ出版) ▽文部省編『我が国の文教施策 平成12年度 文化立国に向けて』(2000・大蔵省印刷局) ▽坂手康志著『Eラーニング――教育のインターネット革命』(2000・東洋経済新報社) ▽荒木浩二著『実践 eラーニング――競争優位に立つ最新手法と成功モデル』(2002・毎日新聞社) ▽先進学習基盤協議会編著『eラーニング白書 2002/2003年版』(2002・オーム社) ▽森田正康著『eラーニングの常識――誰でもどこでもチャンスをつかめる新しい教育のかたち』(2002・朝日新聞社) ▽笠木恵司著『インターネットでMBA・修士号を取る――ビジネスパーソンのための米英100大学eラーニング活用法』(2002・日経BP社) ▽玉木欽也ほか編、青山学院大学総合研究所AML2プロジェクト著『eラーニング実践法――サイバーアライアンスの世界』(2003・オーム社)』

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