理容業者に対する法定資格の呼び名。一般には理髪師ともいい、理髪店で働く者の資格である。理容師の資格や営業の条件は理容師法(昭和22年法律第234号、平成8年法律第107号理容師法の一部を改正する法律)に定められている。理容師になるには、学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条に規定する者であって、厚生労働大臣の指定した理容師養成施設において、厚生労働省令で定める期間以上、理容師になるのに必要な知識および技術を習得して、理容師国家試験の受験資格を得、合格すれば厚生労働大臣から理容師免許を受けて理容師になることができる。
省令による受験資格とは、高等学校を卒業した者で、厚生労働大臣の指定する理容師養成施設で、昼間課程2年、夜間課程2年、通信課程3年以上就学した者、である。
内容は、必修科目が1400時間(関係法規・制度、衛生管理、理容保健、理容物理・化学、理容文化論、理容技術理論、理容運営管理、理容実習)、養成施設の独自性に委ねられている選択必修科目が600時間(造形美学、色彩学、カウンセリング、英会話、接客サービス概論、香粧品学、情報処理など)、合計2000時間以上となっている。
卒業と同時に国家試験による学科試験、実技試験が受験でき、合格して初めて厚生労働大臣より免許証が交付される。
1998年度(平成10)までは、中学校卒業で養成施設への受験資格があり、それも昼間課程が1年、夜間課程が1年4か月、通信課程が2年であったが、高度成長により生活者のニーズ(要求)も高度化、多様化してきたことから、理容師の知識、技能の高度化による資質の向上が求められ、前記の改正となったものである。
かつての日本では、理容師と美容師(いわゆるパーマ屋)の資格は同時に与えられたが、1957年(昭和32)美容師法が制定されてから、法的な資格も区別された。その後、理容師、美容師ともにその職域の垣根が低くなり、どちらもヘアスタイリストとかヘアデザイナー、あるいはヘアコンサルタントなど、英語呼称を用いる理・美容師が増えている。
[坪内靖忠]
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…そうした制度をインターンシップinternshipといい,その研修生をインターンと呼ぶ。一般には医師の場合を指して用いられることが多いが,同様の制度は美容師,理容師の場合にも見られる。医師の場合,第2次大戦後アメリカにならって,大学医学部卒業後1年間,大学病院や認定された教育病院で,臨床の実地修練を積んだのちに,はじめて国家試験の受験資格が与えられる制度が始まった。…
…主として頭髪を刈ったり結うなどして整えたり,ひげをあたったりすることを生業とする職種およびその店,またそれに従事する人を指す語。前者は理髪店(所),理容店(所),散髪屋などと,後者は理髪師,理容師などとも称される。英語ではbarber(barber’s) shop,barberで,語源は〈ひげ〉を意味するラテン語barba。…
※「理容師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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