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大学拡張 だいがくかくちょうuniversity extension

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大学拡張
だいがくかくちょう
university extension

広義には,大学などの高等教育機関が主催する,正規の学生以外の主として成人を対象とする教育活動全般をさすが,通常,ある大学の特定部局が行う学外研究,継続教育,高等成人教育,大学成人教育などの活動をさす。大学開放とも呼ばれる。歴史的には,1867年ケンブリッジ大学の一教授が大学拡張コースを提供したのが始りで,80年代にはイングランド全土の各中心地で盛況を呈した。 85年頃アメリカの大学指導者たちもイギリスの大学拡張事業に着目するようになり,最も顕著な進展はシカゴ大学で起った。同大学の新大学構想のなかに拡張事業が有機的部分として組込まれ,学外センター通信教育,その他各種の計画についての規程が設けられた。アメリカの多くの大学では,拡張事業に登録する成人の数は急増しており,拡張事業を正規の課程と平行した重要な位置におくために組織を再編成する大学も出てきている。高等教育の大衆化が進むとともに,こうした大学拡張事業は他の国々の大学でも重要な活力の一つとされるようになった。日本でも生涯学習の一環として,多くの大学が成人対象の公開講座を開設するなど,大学の拡張,開放に力を入れるようになっている。

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百科事典マイペディアの解説

大学拡張【だいがくかくちょう】

大学本来の教育活動を公開講座・夏期講座等により学外の一般人にも広く及ぼそうとする事業。大学開放ともいわれる。1870年代に英国で労働組合等の要望にこたえて開始。
→関連項目成人教育

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世界大百科事典 第2版の解説

だいがくかくちょう【大学拡張 university extension】

大学開放ともいわれ,大学における学問研究の成果や講義などの大学教育の開放をとおして,ひろく一般民衆に高等教育の機会を普及する事業,またはその実現を担う教育運動をいう。 大学拡張は,19世紀中ごろイギリスで起こった大学改造運動と密接な関連をもって生み出され,1870年代にケンブリッジロンドンオックスフォードの各大学で次々にはじめられた。のち,バーネットSamuel Barnettらによって創始されたセツルメント運動や,労働者の自己教育運動の高まりをうけて,マンスブリッジAlbert Mansbridgeによって設立された労働者教育協会Workers’ Educational Association(略称,WEA)の活動などの労働者教育運動と結合して発展をみせた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大学拡張
だいがくかくちょう
university extension

一般市民に対し広く大学教育の機会を開放する方策をさすが、わかりやすく大学開放というのが一般的になっている。[編集部]

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世界大百科事典内の大学拡張の言及

【学校開放】より

…学校の教職員や施設などの人的・物的な教育機能と蓄積された研究成果などを,広く一般市民に開放しその活用に供する事業・政策・思想。歴史的にみると,19世紀にイギリスに生まれた大学拡張事業university extensionをはじめ,アメリカやヨーロッパ各国で組織された民衆への学校開放事業があるが,前者の場合,労働者階級の自立的な学習運動と結びつき,チュートリアル・クラスの例にみられるような高い水準を生み出している。日本の場合,第2次大戦前は私立大学による通信教育事業等の試みもあったが,天皇制教学体制下ではもっぱら民衆教化のための政策として展開された。…

※「大学拡張」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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