日本国内を陸上輸送される貨物につき,その輸送中に生ずる損害を塡補(てんぽ)する保険。広義には海上,陸上および航空運送の保険を含むが,普通は狭義に解し,陸上運送保険の意味に使われている。国内航空輸送貨物と陸上輸送に付随する一部の国内海上輸送貨物をもその対象としている。運送保険は,貨物の所有者が貨物自体の損壊等に対して付保するほか,荷主が事故発生により運賃のむだ払いとなることに備えて運賃費用に対して付保したり,貨物の到達できないことにより予期した利益が得られないことに備えて希望利益を付保したりすることができる。また運送業者等が受託貨物に関して,顧客に対して負担する賠償責任に備えて付保する運送業者賠償責任保険も運送保険の一種である。運送保険の対象は輸送貨物に限られ,旅客およびトラック等の輸送用具は,運送保険でなくそれぞれ傷害保険,自動車保険の対象となっている。
執筆者:高木 秀卓
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鉄道、自動車、航空機などの輸送用具によって国内輸送される貨物につき、運送に関する事故によって生ずる損害を填補(てんぽ)することを目的とする損害保険。海上運送の貨物の場合は海上保険による。もともと運送保険は貨物海上保険から転化したもので、法規、慣習も海上保険のそれが準用される。保険条件および保険料率は、輸送用具の種類(有蓋(ゆうがい)貨車、無蓋貨車、通風車、トラック、艀(はしけ)、航空機など)、貨物の種類(一般商品はもちろん個人の貨財、動物、現金、有価証券など)、梱包(こんぽう)の方法、輸送距離などによって異なる。運送保険は、貨物の発送のつど契約する方法のほか、一定の期間を定めて契約する方法がある。また、荷主自ら保険会社と契約する場合もあるが、運送業者が保険会社の代理店となっている場合が多いので、運送業者に依頼するのが普通である。
[金子卓治]
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