遣す(読み)オコス

デジタル大辞泉 「遣す」の意味・読み・例文・類語

おこ・す【遣す/致す】

[動サ下二]
よこす。届けてくる。
講師、もの、酒―・せたり」〈土佐
動詞連用形に付いて)その動作自分の方へ及ぶことを表す。こちらへ…する。…してくる。
空合はせ(=夢判断)にあらず、いひ―・せたる僧の疑はしきなり」〈かげろふ・下〉
[動サ四]の四段活用化》1に同じ。
「極道めが―・しをらぬわい」〈滑・浮世床・初〉

まだ・す【遣す】

[動サ四]《「まい(参)る」の連用形に「いだす」の付いた「まいいだす」の音変化か》使いを差し出す。差し上げる。
「使ひを―・してあめの神にまうす」〈神代紀・上〉

おく・す【遣す/致す】

[動サ四]《「おこ(遣)す」の音変化》よこす。
「(船賃ヲ)それに―・しやらぬ人は、向かふな島へ、うちあげておきまする」〈狂言記薩摩守

こ・す【遣す】

[動サ四]つかわす。よこす。
亀屋養子に―・すからは」〈浄・冥途の飛脚

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「遣す」の意味・読み・例文・類語

やら‐・す【遣す】

連語〙 (動詞「やる(遣)」の未然形に、上代尊敬助動詞「す」の付いたもの) 行かせなさる。
万葉(8C後)一四・三三八八「筑波嶺の嶺(ね)ろに霞居(ゐ)過ぎかてに息づく君を率寝(ゐね)て夜良佐(ヤラサ)ね」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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