ときがわ

改訂新版 世界大百科事典 「ときがわ」の意味・わかりやすい解説

ときがわ[町]

埼玉県中央部,比企郡の町。2006年2月玉川(たまがわ)村と都幾川(ときがわ)村が合体して成立した。人口1万2418(2010)。

ときがわ町北東部の村。比企郡所属。人口5494(2005)。秩父山地東麓と比企南丘陵西部を占め,荒川の支流都幾川沿いには河岸段丘が形成されている。江戸時代は天領旗本領で,中心集落の玉川には元禄年間(1688-1704)まで幕府代官の陣屋が置かれていた。畑作農村でシイタケ栽培も行われる。東部の丘陵を切り開いて工場用地がつくられ,中小の工場が進出している。

ときがわ町中西部の旧村。比企郡所属。人口7777(2005)。秩父山地東縁に位置し,荒川の支流都幾川の上流域を占める。村域の大半が山林で,林業が盛ん。建具製造業も盛んで,江戸時代から現在まで有力な地場産業となっており,全国に出荷されている。山間の段々畑では茶がつくられ,弓立山の南西斜面ではミカンが栽培されている。天台宗古刹(こさつ)慈光寺には国宝の《法華経一品経》のほか,重要文化財の開山塔など文化財が多い。堂平(どうだいら)山(876m)山頂には国立天文台堂平山観測所(現在はときがわ町が運営)がある。JR八高線が通じる。
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