酷吏(読み)コクリ

デジタル大辞泉 「酷吏」の意味・読み・例文・類語

こく‐り【酷吏】

人民を苦しめる無慈悲な官吏
杜牧「早秋詩」の「大熱酷吏をしりぞく」から》厳しい暑さ。酷暑

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精選版 日本国語大辞典 「酷吏」の意味・読み・例文・類語

こく‐り【酷吏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 苛酷(かこく)な官吏。横暴できびしく国民を締めつける役人。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「国司の堕弱、酷吏(コクリ)非義を誡(いましめ)つるまでの事にて」(出典読本椿説弓張月(1807‐11)前)
  3. どうすることもできないような、ひどい暑さのたとえ。
    1. [初出の実例]「残暑酷吏未去、清風故人未至」(出典:須賀直見宛本居宣長書簡‐明和元年(1764)七月某日)
    2. [その他の文献]〔杜牧‐早秋詩〕

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普及版 字通 「酷吏」の読み・字形・画数・意味

【酷吏】こくり

苛酷な役人。〔史記、酷吏伝序〕高后の時、に獨り侯封り。宗室轢(こくれき)して、功臣辱す。

字通「酷」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酷吏」の意味・わかりやすい解説

酷吏
こくり
ku-li; k`u-li

中国で法律を厳重に適用,過酷な刑罰を行なった官吏。循吏に対していう。司馬遷は『史記』に「酷吏列伝」を設けて 11人の酷吏を記し,班固は『漢書』で4人を記した。他の正史にも多く酷吏伝が設けられている。前漢の酷吏は張湯,趙禹らで,彼らは法家主義の立場に立ち,武帝の意を迎えて中央集権的政治や取締りを行い,その批判者,反対者を厳罰に処した。また地方官として任地に行った酷吏は,豪族勢力をたくわえて郷村を支配することが,中央集権政治の妨げであるとして,弾圧した。

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