(読み)コク

デジタル大辞泉 「酷」の意味・読み・例文・類語

こく【酷】

[形動][文][ナリ]度を越して厳しいさま。思いやりがなくむごいさま。「な処分」「彼にとってその評言はだ」
[類語]残酷残虐残忍暴虐陰惨悲惨凄惨惨憺さんたん無残ひどむご惨たらしい痛ましい痛痛しい見るに忍びない目も当てられない冷酷冷血血も涙もない酷薄暴戻ぼうれい凄愴せいそう惨烈酷烈戦慄惨劇猟奇猟奇的嗜虐しぎゃく嗜虐しぎゃくグロテスク阿鼻叫喚目を背ける厳しいきつい厳格厳重厳酷厳正冷厳峻厳しゅんげん峻烈しゅんれつ苛酷かこく容赦ようしゃない仮借かしゃくない険しい鋭い激しい手痛い手厳しい手ひどいこっぴどい辛辣しんらつびしっと痛烈シビアすさまじい猛烈強烈苛烈熾烈しれつ強い強力強大無敵最強力強い手強い激烈鮮烈凄烈凄絶壮烈壮絶悲壮過激ラジカル激甚急激激越矯激ファナティック先鋭烈烈どぎついひどいすごいものすごいはなはだしい桁外れ桁違い並外れ格段著しい荒荒しい荒っぽい大荒れ猛然荒らか威烈猛に

こく【酷】[漢字項目]

常用漢字] [音]コク(呉)(漢) [訓]ひどい むごい
容赦がなく、きびしい。むごい。「酷刑酷使酷薄酷吏苛酷かこく過酷厳酷残酷冷酷
程度がひどい。はなはだ。「酷寒酷似酷暑酷熱
[名のり]あつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「酷」の意味・読み・例文・類語

こく【酷】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 穀物が熟すること。〔方言‐巻七〕
  3. ( 形動 ) 度を過ごしてきびしいこと。むごいこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「蓋し酷とは刻剥の義なり」(出典:辺鄙以知吾(1754))
    2. 「『ちと酷だから消さう』と其句丈(だけ)へ棒を引く」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三)
    3. [その他の文献]〔史記‐曹相国世家賛〕
  4. ( 形動 ) 程度がはなはだしいこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「暑気甚だ酷(コク)にして」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四六)
    2. [その他の文献]〔王褒‐洞簫賦〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「酷」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
14画

[字音] コク
[字訓] きびしい・はなはだ

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
旧字はに作り、声符(告)(こく)。〔説文十四下に「酒味厚きなり」とあり、酒味の濃厚であることをいう。のち転じて酷烈の意となり、副詞として酷似・酷愛のように用いる。

[訓義]
1. つよいさけ、つよい、からい、こい。
2. きびしい、はげしい、むごい、いたましい。
3. ひどい、はなはだ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 加良志(からし) 〔名義抄 アツシ・ハナハダ・カラシ・タチマチ・アラアラシ・イタシ・シシカラシ/烈 カトル 〔字鏡集〕アカラシ・アラシ・アツシ・アハテタリ・カラシ・シカシナガラ・アラアラシ・タチマチ・ハナハダ

[熟語]
酷愛・酷悪酷苛・酷害・酷官・酷寒酷虐・酷刑酷狠酷惨・酷似・酷日・酷暑・酷肖・酷政・酷待・酷痛・酷・酷忍・酷熱・酷薄・酷罰・酷法・酷暴・酷没・酷濫・酷懶・酷吏・酷類・酷令・酷・酷烈
[下接語]
怨酷・酷・枉酷・苛酷・過酷・厳酷・惨酷・残酷・峻酷・深酷・貪酷・忍酷・暴酷・冷酷・烈酷

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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