酸乳(読み)さんにゅう(その他表記)sour milk

精選版 日本国語大辞典 「酸乳」の意味・読み・例文・類語

さん‐にゅう【酸乳】

  1. 〘 名詞 〙 牛乳または脱脂乳に、乳酸菌を加えて乳酸発酵させた独特の風味酸味をもつ飲料ヨーグルトや、これに甘味料香料などを加え、水で希釈した日本独特の乳酸菌飲料などが含まれる。乳酸飲料

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改訂新版 世界大百科事典 「酸乳」の意味・わかりやすい解説

酸乳 (さんにゅう)
sour milk

牛乳や脱脂乳を乳酸菌により発酵させてつくる酸味を有する液状または半流動状の製品。この種の製品は,日本の規格では無脂乳固形分と菌数の基準により発酵乳(ヨーグルトなど)と乳酸菌飲料に分類される。(1)ヨーグルト 酸乳では最古のものとして知られている。古くから東地中海沿岸諸国で製造され,この地方に長寿者が多いのはヨーグルトを常食するためであるというE.メチニコフの説は有名である。牛乳または脱脂乳を殺菌し,ブルガリア菌Lactobacillus bulgaricus,アシドフィルス菌L.acidophilus,サーモフィルス菌Streptococcus thermophilusなどの乳酸菌を接種して,30~40℃で10~15時間発酵させると,爽快な酸味と滑らかな組織をもつ製品が得られる。冷蔵して約1週間保存できる。ショ糖果肉果汁,果実エッセンスなどを加えた製品も多い。脱脂粉乳(または寒天)を加えるとカードの硬いプリン状ヨーグルトが得られる。(2)乳酸菌飲料 日本の規格ではさらに乳製品乳酸菌飲料と,乳等を主成分とする食品中の乳酸菌飲料(非乳製品乳酸菌飲料)の2種に分類される。主としてブルガリア菌を用い,ヨーグルトとほぼ同じ方法で脱脂乳を発酵させ,さらに必要に応じてクエン酸酒石酸を添加する。生じたカードを破砕,均質化し,ショ糖,果汁,エッセンス,色素などをあらかじめ殺菌してから加えて混合し,容器に充てんする。また,日本独特のものとして,発酵後ショ糖を加え,加熱殺菌した製品がある(商品名カルピスなど)。これはブルガリア菌で発酵させた脱脂乳に,1.5~1.7倍のショ糖を加え,約80℃で20分加熱して糖を溶解するとともに殺菌し,冷却後,適量のエッセンス(バニラ,オレンジ,グレープなど)を加え瓶詰にしたもので,飲用時に5倍に希釈する。
乳酸飲料 →発酵乳
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栄養・生化学辞典 「酸乳」の解説

酸乳

 →サワーミルク

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世界大百科事典(旧版)内の酸乳の言及

【発酵乳】より

…ウシ,ヤギ,ヒツジ,ウマなどの乳を原料とし,これに乳酸菌や酵母を培養して発酵させ,特有の風味を与えた乳製品。アルコール発酵乳と酸乳の2種類に大別できる。日本の規格では,これらの製品のうち無脂乳固形分8.0%以上,1ml当り菌数1000万以上のものを発酵乳という。…

※「酸乳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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