乳酸飲料の一種。カルピス食品工業の登録商標名。同社の創立者三島海雲(かいうん)(1878-1974)が,モンゴル人の常用する飲料にヒントを得て発明,創製した日本最初の乳酸飲料で,1919年にラクトー(現,カルピス食品工業)から発売。カルピスの名は,カルシウムのカルと梵語のサルピス(仏教の五味(ごみ)の熟酥(じゆくそ)の意)のピスをとったものである。独特の甘酸っぱさを表現した〈初恋の味〉というキャッチフレーズ,商業美術の先進国であったドイツで公募した〈黒ん坊〉のマーク,七夕の日の発売を記念して天の川をかたどった水玉模様の包装紙など,広告史上に残る宣伝を展開し,ひろく親しまれる飲料となった。脱脂乳を乳酸発酵させて,砂糖,カルシウムなどを加えて熟成させたもので,5~6倍にうすめて飲用する。
執筆者:殖田 友子
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…代表的なものは日本農林規格でいう果汁入り清涼飲料やフルーツシロップなどである。乳性飲料は乳または乳製品を原料とし,甘味料,色素,香料,酸,炭酸ガスおよび乳酸菌などを混和して作るもので,クリームソーダのほか,カルピス,ヤクルト(後者二つはともに商標)などもこれに含まれる。 冷たい水と一片の果実でもあれば,昔からどこででも清涼爽快な飲料は得られたわけで,その意味での清涼飲料の起源は人類とともに古いといえるかもしれない。…
※「カルピス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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