デジタル大辞泉
「重力レンズ」の意味・読み・例文・類語
じゅうりょく‐レンズ〔ヂユウリヨク‐〕【重力レンズ】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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重力レンズ
じゅうりょくれんず
gravitational lens
重力が空間をゆがめるため光が曲げられ、重力がレンズのような作用をする現象。天体がつくる重力場を通る光を遠方から観測すると、光が屈折するようにみえる。たとえばクエーサーのなかには、手前にある銀河の重力レンズのはたらきで複数の像をつくるものが発見されている。宇宙全体が重力レンズである可能性もある。その場合、光は空間的に閉じた経路を通ることになり、過去と現在の姿が重なってみえることになる。
[広瀬立成]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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重力レンズ【じゅうりょくレンズ】
大きな重力場を通ってくる光が曲げられること。凸レンズを通過したときのように曲がることからこの名がある。理論的には一般相対性理論から導かれる現象で,1919年A.S.エディントンが一般相対性理論の検証を目的に,太陽のまわりに見える星で観測を試みている。太陽よりもはるかに質量の大きい銀河や銀河団の大きな重力場を通ってくる光は,より大きく曲げられるはずである。たとえば二重クエーサーQ0957+561は,重力レンズの効果によって一つのクエーサーが二つあるように観測されたものとして説明されている。
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の重力レンズの言及
【恒星状天体】より
…AはBより約25%明るいが,この明るさの比は光でも電波でも同じで,さらに分光器でスペクトルを観測したところ,両者とも輝線の赤方偏移1.405,吸収線の赤方偏移1.390が得られた。天球上AとBを結ぶ線上でBに近く,赤方偏移0.36の銀河が検出されており,この銀河の重力レンズ作用によって,遠方の1個の恒星状天体が二つの像に分解されたと解釈されている。【寿岳 潤】。…
※「重力レンズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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