金属顕微鏡(読み)キンゾクケンビキョウ(その他表記)metallurgical microscope

デジタル大辞泉 「金属顕微鏡」の意味・読み・例文・類語

きんぞく‐けんびきょう〔‐ケンビキヤウ〕【金属顕微鏡】

金属合金セラミック組織や研磨面、電子部品などの不透明な試料観察するための顕微鏡半透明鏡またはプリズム対物レンズ接眼レンズの間に置き、鏡筒側方からの光を鉛直上方から試料表面に投射し、その反射光を拡大する。解像度は高いが被写界深度浅い反射型顕微鏡

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「金属顕微鏡」の意味・わかりやすい解説

金属顕微鏡
きんぞくけんびきょう
metallurgical microscope

金属、合金、セラミックスなどのように不透明な物質構造を観察するための顕微鏡で、反射型顕微鏡ともいう。植物や動物の細胞などを観察する通常の光学顕微鏡生物顕微鏡または透過型顕微鏡という)の場合には試料の裏側から光を当て、透過してきた光を対物レンズと接眼レンズとによって拡大する。これに対して金属顕微鏡では、対物レンズと接眼レンズとの間にガラス板または直角プリズムを組み込んで試料の前面から光を当て、反射してきた光を対物レンズと接眼レンズとによって拡大する。倍率は約1000倍が限度であり、これ以上の拡大には電子顕微鏡が使用される。

[西沢泰二]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「金属顕微鏡」の意味・わかりやすい解説

金属顕微鏡【きんぞくけんびきょう】

金属の研磨面など不透明な物体の表面を観察するための顕微鏡。光を試料面で反射させ反射光を対物鏡接眼鏡で拡大する。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金属顕微鏡」の意味・わかりやすい解説

金属顕微鏡
きんぞくけんびきょう
metallurgical microscope

反射顕微鏡の一種。正立型,倒立型があり,倒立型は,試料面を光軸に垂直に保持しやすく,大型試料の鏡検 (顕微鏡分析) ,加熱変化などの観察に便利である。金属などの研磨面の鏡検に用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の金属顕微鏡の言及

【顕微鏡】より

…したがって生物顕微鏡用対物レンズは厚さ0.17mmのカバーグラスが間に入ることが前提として設計されているのが特徴である。(2)金属顕微鏡 金属試料のように不透明な物体表面の観察のためのもので,対物レンズと接眼レンズの中間にハーフミラーをおき,これにより導入された照明光で試料表面を照らし(落射照明),その反射光を観察する。対物レンズはカバーグラスを前提にしない設計であり生体用のものと異なる。…

※「金属顕微鏡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android