鈴鹿川(読み)スズカガワ

デジタル大辞泉 「鈴鹿川」の意味・読み・例文・類語

すずか‐がわ〔‐がは〕【鈴鹿川】

三重県北部を流れる川。鈴鹿山脈南端の鈴鹿峠付近に源を発して東流し、亀山市鈴鹿市を経て四日市市南端で伊勢湾に注ぐ。長さ41キロ。

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精選版 日本国語大辞典 「鈴鹿川」の意味・読み・例文・類語

すずか‐がわ‥がは【鈴鹿川】

  1. 三重県北部の川。鈴鹿山脈に発し、東流して鈴鹿市を流れ、四日市市南部で伊勢湾に注ぐ。八十瀬(やそせ)川。伊勢国の歌枕。
    1. [初出の実例]「鈴鹿河(すずかがは)八十瀬(やそせ)渡りて誰(たが)ゆゑか夜越(よごえ)に越えむ妻もあらなくに」(出典:万葉集(8C後)一二・三一五六)

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日本歴史地名大系 「鈴鹿川」の解説

鈴鹿川
すずかがわ

鈴鹿山脈から発するこの川の源は二つある。鈴鹿郡せき加太かぶとの山中より発するもの(加太川)と同町坂下の三子さかしたのみつご(五六八メートル)より発するものとである。これらは関町の西で合して東流し、亀山市を経てやや北東に向きを変え、支流安楽あんらく川を合せ、鈴鹿市を通り、三重郡くす唐木からきで派川を分け、本流は北東に流れて内部うつべ川と合して、四日市市の南方で伊勢湾に注ぐ。支流安楽川にはさらに伊勢神宮への年魚奉献で知られた御幣おんべ川が注いでいる。

坂下に源を発するのを本流とすれば(鈴鹿川砂防工事誌)、その流路は四〇・七キロ、流域面積は一三一・七五平方キロに及ぶ。加太川渓谷から下流にかけては、大和朝時代から奈良時代にかけての東海道として、東国経営上重要なものがあり、壬申の乱に大海人皇子が進軍したのもこの経路であった。東海道鈴鹿駅・河曲かわわ(延喜式)はもちろん、伊勢国府・同国分寺もともにこの流域に設けられた。条里制は上流では亀山市西部の木下このした町から鈴鹿市国府こう町付近までは右岸に、西富田にしとみだ町付近からは左岸に断続的に施工された。

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改訂新版 世界大百科事典 「鈴鹿川」の意味・わかりやすい解説

鈴鹿川 (すずかがわ)

三重県北部を流れる川。鈴鹿山脈の那須ヶ原岳(800m)付近から発してほぼ東流し,御幣(おんべ)川,安楽川,内部(うつべ)川の支流を合わせ,四日市市南端で伊勢湾に入る。八十瀬川,甲斐川,関川高岡川などともいわれる。幹川流路延長38km,全流域面積323km2。上流は鈴鹿国定公園に属し,小岐須(おぎす)峡,石水峡などの景勝地があり,歌枕として古歌に詠まれた。中流には河岸段丘発達し,一部は黒ボクと呼ばれる火山灰土の厚い腐植層におおわれ,茶畑に利用されている。下流は沖積低地水田が卓越する。上・中流では川とほぼ並行して旧東海道(国道1号線)と関西本線が走る。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鈴鹿川」の意味・わかりやすい解説

鈴鹿川
すずかがわ

三重県北部、鈴鹿山脈の南端の鈴鹿峠付近に源を発して東流し、亀山市、鈴鹿市を経て四日市市南部で伊勢(いせ)湾に注ぐ一級河川。内部(うつべ)川、御幣(おんべ)川、安楽(あんらく)川などの支流を集めて延長38キロメートル、流域面積323平方キロメートル。各支流の上流部は鈴鹿山系を刻む渓谷美に富み、中流域は丘陵台地、段丘が広がり、県下一の茶・花木の産地である。緩やかに蛇行する流れは『万葉集』の「鈴鹿川八十瀬(やそせ)渡りて誰(た)が故(ゆえ)か夜越えに越えむ妻もあらなくに」(巻12、作者不詳)のほか、多くの歌に詠まれている。

[伊藤達雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鈴鹿川」の意味・わかりやすい解説

鈴鹿川
すずかがわ

三重県北部の川。鈴鹿山脈南端部にある那須ヶ原岳付近に源を発し,ほぼ東流して亀山・鈴鹿両市を貫流,四日市市南部で伊勢湾に注ぐ。全長 38km。河口部で内部 (うつべ) 川が合流する。支流の安楽川に石水渓,御幣 (おんべ) 川に小岐須 (おぎす) 峡谷があり,鈴鹿国定公園に属する。中流は河岸段丘の発達が著しく,段丘上に関,亀山,庄野石薬師などの東海道五十三次の宿や城下町がある。鈴鹿市加佐登付近からは扇状地を形成。川沿いに国道1号線,JR関西本線が通じる。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「鈴鹿川」の解説

すずかがわ【鈴鹿川】

三重の日本酒。酒名は、当地が古来から酒どころとして「味酒鈴鹿国(うまさけすずかのくに)」と呼ばれていたことに由来。大吟醸酒「雅楽器揃箏」、純米吟醸酒「雅楽器揃絃」のほか、純米酒、本醸造酒がある。全国新酒鑑評会で受賞実績多数。原料米は山田錦など。仕込み水は鈴鹿山系の伏流水。蔵元の「清水醸造」は明治2年(1869)創業。所在地は鈴鹿市若松東。

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デジタル大辞泉プラス 「鈴鹿川」の解説

鈴鹿川(すずかがわ)

三重県、清水清三郎商店株式会社の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

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