銭箱(読み)ゼニバコ

大辞林 第三版の解説

ぜにばこ【銭箱】

江戸時代に商家で使用した、銭を保管するための木箱。箱の上部に投入口があり、下部の取り出し口には錠をつけ、頑丈に作られている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

銭箱
ぜにばこ

(びたせん)といわれる穴明銭(あなあきせん)(寛永通宝(かんえいつうほう))など小額の貨幣を入れる木製長方形の箱。遠くから投入できるように漏斗(ろうと)形の口や丸い穴があり、金を自由に取り出せないように錠前(じょうまえ)がかかっている。中には額(がく)(一分銀、二朱金などの長方形の貨幣)や小判を入れられるよう投げ入れ口の裏蓋(ぶた)に小さな引き出し箱がついたものもある。銭箱の四隅に頑丈な金具をつけたものを俗に千両箱という。小判でも千両以上も入るので、あくまでも銭箱の変形とみるべきである。銭箱を銀箱という場合があるが、これは銭よりも高額の貨幣入れである。[遠藤 武]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぜに‐ばこ【銭箱】

〘名〙
① 金、銀銭を入れておくかね箱。錠がかけられる仕掛けとなっており、またこわされないように鋲打、四方鉄がしてある。金銭を投入する丸い穴をあけたものとあけないものがあり、後者は普通千両箱と俗称される。形は大小さまざま。また、寺社で賽銭をうける箱。賽銭箱
※史記抄(1477)一六「神の前の銭函の様なものぞ」
② 銭湯の番台の上に置く、湯銭を入れる箱。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「敷ぶとんで銭箱(ゼニバコ)の上をはたきながらすはる」
③ 俗に、大きな利益を生ずる源として頼みにするものを金箱(あるいはドル箱)というのに対して、小額の利益を生ずる源として頼みにする人のことをしゃれていう。
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)五立小幕「『妓夫こそすれ、さぼてんおばアが金箱でござりやすよ』『然らば、麿達は銭箱(ゼニバコ)かな』」

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