ぜに‐ばこ【銭箱】
〘名〙
① 金、
銀銭を入れておくかね箱。錠がかけられる仕掛けとなっており、またこわされないように
鋲打、四方鉄がしてある。
金銭を投入する丸い穴をあけたものとあけないものがあり、
後者は普通千両箱と俗称される。形は
大小さまざま。また、
寺社で
賽銭をうける箱。
賽銭箱。
※
史記抄(1477)一六「神の前の
銭函の様なものぞ」
※
滑稽本・
浮世風呂(1809‐13)前「敷ぶとんで銭箱
(ゼニバコ)の上をはたきながらすはる」
③ 俗に、大きな利益を生ずる源として頼みにするものを
金箱(あるいはドル箱)というのに対して、
小額の利益を生ずる源として頼みにする人のことをしゃれていう。
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)五立小幕「『
妓夫こそすれ、さぼてんおばアが金箱でござりやすよ』『
然らば、麿達は銭箱
(ゼニバコ)かな』」
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デジタル大辞泉
「銭箱」の意味・読み・例文・類語
ぜに‐ばこ【銭箱】
銭を入れておく箱。施錠の仕掛けや鋲打ちをして頑丈な作りになっている。
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銭箱
ぜにばこ
鐚銭(びたせん)といわれる穴明銭(あなあきせん)(寛永通宝(かんえいつうほう))など小額の貨幣を入れる木製長方形の箱。遠くから投入できるように漏斗(ろうと)形の口や丸い穴があり、金を自由に取り出せないように錠前(じょうまえ)がかかっている。中には額(がく)(一分銀、二朱金などの長方形の貨幣)や小判を入れられるよう投げ入れ口の裏蓋(ぶた)に小さな引き出し箱がついたものもある。銭箱の四隅に頑丈な金具をつけたものを俗に千両箱という。小判でも千両以上も入るので、あくまでも銭箱の変形とみるべきである。銭箱を銀箱という場合があるが、これは銭よりも高額の貨幣入れである。
[遠藤 武]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例