鑑定人(読み)かんていにん

日本大百科全書(ニッポニカ)「鑑定人」の解説

鑑定人
かんていにん

訴訟事件の審判手続の際に、裁判所証拠調べで特別の学識経験ある第三者の意見を徴して、裁判官知識判断能力の補いとするための第三鑑定人と称する。鑑定人は、正当の理由がなくて呼出しに応じないと過料などの制裁を受ける。また鑑定人は、鑑定に際しては、「良心に従い誠実に鑑定をする」旨の宣誓書を朗読し、鑑定結果を書面で提出する。なお、裁判所が命じる以外に、検察官が捜査のために鑑定を嘱託することもある。鑑定人は裁判所の許可によって身体検査、死体解剖、物件破壊などをすることができる。

[船尾忠孝]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「鑑定人」の解説

鑑定人
かんていにん
Sachverständiger

裁判所または裁判官から命じられて,指示された事項に対し,自己の有する専門的な知識,経験またはこれらを具体的に適用して得た法律上,事実上の判断を報告する第三者 (民事訴訟法刑事訴訟法) 。なお,非訟事件強制執行において,裁判所が命じた財産価格の評価人を鑑定人ということもある。また,刑事訴訟では検察官などが嘱託した者を鑑定人と呼ぶこともある。

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精選版 日本国語大辞典「鑑定人」の解説

かんてい‐にん【鑑定人】

〘名〙 鑑定を行なう人。鑑定をするように求められた人。
※西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一三「各国より来集せる其科の名家を聚(あつ)めて裁判者鑒定人(カンテイニン)とし」

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世界大百科事典内の鑑定人の言及

【鑑定】より

…たとえば1400年代の板絵の場合,その様式的な鑑定に加え,使われている板の種類による制作地域の鑑定も行われ,その他キャンバスや顔料,筆触などの分析も重要な意味をもっている。これらの結果を書式にし,鑑定人の署名をしたものがいわゆる〈鑑定書expertise〉であるが,その性格はきわめて私的な所見を述べたにすぎない覚書的なものから,ある程度法的な有効性をもつものまでさまざまである。日本と同様,欧米でも医師や弁護士のような国家試験によって認定された鑑定人の制度はないが,個々のケースでは裁判所が認定した一時的な法定鑑定人が存在することもある。…

【法医学】より

…裁判官,検察官,弁護人あるいは警察官が必要とした場合に,命令や嘱託にもとづき行われ,裁判や捜査の公正な進行を助ける。鑑定を行う者を,法律用語で鑑定人という。裁判所からの場合,鑑定人はあらかじめ法廷において,良心に従い鑑定を遂行する旨の宣誓を行う。…

※「鑑定人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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