(揖斐高)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
幕末から明治中期にかけての漢学者、書家。漢詩、南画でも非凡であった。豊後(ぶんご)国(大分県)日田郡馬原村に生まれる。名は炗(ひかる)、字(あざな)は世章、秋史。通称富太郎、光太郎。三洲は号。15歳で広瀬淡窓(たんそう)の門に入り、秀才の聞こえ高く、のち大坂に出て淡窓の末弟旭荘(きょくそう)の塾長となった。その後長州の奇兵隊に加わり、攘夷(じょうい)を実行した。1868年(慶応4)戊辰(ぼしん)戦争にも参加して功があった。明治になって東京に出て明治政府の文教面の高官を歴任した。著書に『楷書天地帖(かいしょてんちちょう)』『行書孤憤帖(ぎょうしょこふんちょう)』、『三洲居士集』五冊など。
[古川哲史]
…ついで現れた森春濤(しゆんとう)・森槐南(かいなん)父子は婦女子の恋愛の感情を詠んだ香奩(こうれん)体の詩や,袁枚(えんばい),趙翼,張船山(張問陶),王漁洋(王士禎)らの清詩をさかんに鼓吹し,本田種竹らとともに明治詩壇(ことに後期)における清詩の流行をもたらした。槐南の門からは野口寧斎が出て詩名をうたわれたが,当時これらの人々と独立して活躍していたのが成島柳北,長三洲らである。また1894年に夭折した中野逍遥も強烈な恋愛感情を漢詩に託した詩人として注目される。…
※「長三洲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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