長泉(読み)ながいずみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「長泉」の意味・わかりやすい解説

長泉(町)
ながいずみ

静岡県東部、駿東郡(すんとうぐん)にある町。1960年(昭和35)町制施行。町域は愛鷹山(あしたか)の南東斜面、黄瀬(きせ)川下流部に開かれている。JR御殿場(ごてんば)線、国道246号が南北に通じ、新東名高速道路の長泉沼津インターチェンジ、伊豆縦貫自動車道の長泉インターチェンジがある。また、町の近くには東海道新幹線三島(みしま)駅、東名高速道路沼津インターチェンジがある。黄瀬川流域は三島溶岩流の乏水性台地であったが、箱根用水開削で水田化された。愛鷹山の緩斜面では露地野菜の栽培や畜産が行われているが、沼津、三島両市に隣接のため宅地化が著しい。精密機械製紙化学繊維工場があり、両市と一体化している。井上靖(やすし)文学館、ベルナール・ビュフェ美術館ヴァンジ彫刻庭園美術館、富士竹類植物園がある。2002年(平成14)には県立静岡がんセンターが開設された。面積26.63平方キロメートル、人口4万3336(2020)。

[川崎文昭]

『『長泉町史』(1992・長泉町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「長泉」の意味・わかりやすい解説

長泉[町] (ながいずみ)

静岡県東部,駿東郡の町。人口4万0763(2010)。愛鷹(あしたか)山南東麓に位置する。町の中央部を黄瀬川が南流し,愛鷹山に発する桃沢川を合わせて狩野川に注ぐ。黄瀬川沿いの平たん地にはJR御殿場線,国道246号線が南北に走る。水利と交通に恵まれ,化学繊維工場をはじめ,機械,自動車部品,食品,パルプなどの工場が進出し,製造品出荷額を大きく伸ばしている。両隣の沼津・三島両市への通勤・通学者も多く,人口は増加傾向にある。富士溶岩流からなる台地が箱根用水により水田化されたところであるが,農地の宅地化や農業の兼業化が進み,野菜,花卉果樹をハウス栽培する施設園芸が盛んになっている。北部の山地では酪農や養豚が行われ,森林公園,キャンプ場,ゴルフ場もある。
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百科事典マイペディア 「長泉」の意味・わかりやすい解説

長泉[町]【ながいずみ】

静岡県東部,駿東(すんとう)郡の町。沼津三島両市に接し,その住宅・工場地区をなす。繊維,化学,機械などの工業立地,御殿場線,新東名高速道路が通じる。26.63km2。4万763人(2010)。

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