デジタル大辞泉 「間水」の意味・読み・例文・類語 けん‐ずい【間水/×硯水/建水】 1 1日2食であった時代に、朝食と夕食との間にとる間食。「昼食を―といふ」〈本朝文選・南都賦〉2 三食以外に飲食する餅や酒など。間食。「三時の食物の外に…酒餅の類を与ふるを―といふ」〈閑田耕筆〉3 酒の異称。玄水。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「間水」の意味・読み・例文・類語 けん‐ずい【間水・硯水・建水】 〘 名詞 〙① 昔の二食時代、朝食と夕食との間に食べる間食。現在の昼食にあたる。[初出の実例]「四百五十文 同時人夫雑事并けんすい」(出典:東寺百合文書‐に・康暦三年(1381)二月日・丹波大山荘年貢散用状)② 三食の他に飲食する飯、酒、餠など。特に昼食と夕食の間の飲食。小昼(こびる)。おやつ。[初出の実例]「昼飯から夜食の間に、又飯を一度喰ひやす。是を八つ茶とも小昼ともいひやす、京都にてはケンズイといひやす」(出典:滑稽本・街能噂(1835)二)③ 酒の異称。玄水(げんすい)。〔黒本本節用集(室町)〕[初出の実例]「切燈台の影の中飲〈正章〉 建水(ケンズイ)のやうなる物を引そばめ〈貞徳〉」(出典:俳諧・紅梅千句(1655)六)④ 番匠・壁塗など、建築関係の職人に通常の労賃とは別に注文主から臨時に支給された物品・貨幣。[初出の実例]「番匠之事、合八十人、作料四貫文、硯水四百文、別硯水氷七百文」(出典:徴古文書‐甲・永正六年(1509)高神社修善算用帳)間水の補助注記元来は、労働者に間食、酒を給与した使用者の用語。 かん‐すい【間水】 〘 名詞 〙① 中世の大和で、ある荘園の引水が終わり、次の荘園への給水が始まるまでの用水のこと。申請に従って必要とする荘園に引かれた。[初出の実例]「能登・岩井両河用水事、去一日より四十八町給レ之。今日間水也。明日九日より可レ被二引漑一之由、神殿庄捧二目安一」(出典:大乗院寺社雑事記‐康正三年(1457)八月八日)② ⇒けんずい(間水) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例