阿寒摩周国立公園(読み)アカンマシュウコクリツコウエン

デジタル大辞泉 「阿寒摩周国立公園」の意味・読み・例文・類語

あかんましゅう‐こくりつこうえん〔アカンマシウコクリツコウヱン〕【阿寒摩周国立公園】

北海道東部にある国立公園阿寒屈斜路くっしゃろ摩周ましゅうの三つのカルデラ湖や小湖沼群、雌阿寒岳雄阿寒岳等の火山群からなる。昭和9年(1934)阿寒国立公園として指定され、平成29年(2017)に神の子池を含む周辺の一部が追加されて現名称となる。公園大部分が亜寒帯性の針葉樹林に覆われ、雄大な景観を有する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿寒摩周国立公園」の意味・わかりやすい解説

阿寒摩周国立公園
あかんましゅうこくりつこうえん

北海道東部、釧路(くしろ)総合振興局管内の北部を中心に一部オホーツク、十勝(とかち)両総合振興局、根室振興局管内に及ぶ国立公園。1934年(昭和9)「阿寒国立公園」として指定。2017年(平成29)8月、公園区域の一部拡張(神の子池および摩周カルデラ外輪山山麓)とともに名称を変更し、「阿寒摩周国立公園」となった(面積914.13平方キロメートル)。摩周、屈斜路(くっしゃろ)、阿寒の三大カルデラを中心に、雄(お)阿寒岳(1370メートル)、雌(め)阿寒岳(1499メートル)、アトサヌプリ硫黄(いおう)山。508メートル)などの火山摩周湖屈斜路湖阿寒湖などの火山性湖沼がある北海道の代表的火山公園である。

 東部の摩周カルデラと屈斜路カルデラを中心とする「摩周地域」と、西部阿寒カルデラを中心とする「阿寒地域」の大きく2地域で構成される。

 摩周地域には、日本最大級の屈斜路カルデラを中心に、摩周湖とこれを取り巻くアトサヌプリ、カムイヌプリ(摩周岳。857メートル)などの火山がある。摩周カルデラ周辺ではダケカンバの純林が見られるほか、アトサヌプリ周辺ではハイマツやイソツツジなどの大群生が広がる。眺望スポットとして、摩周カルデラ地区では、摩周湖と摩周岳に臨む、道道52号沿いのカルデラ壁にある第1、第3展望台、屈斜路カルデラ地区では、屈斜路湖と和琴(わこと)半島を一望する、カルデラ壁上の美幌(びほろ)峠(495メートル)が有名。

 阿寒地域には、原生林に囲まれ特別天然記念物のマリモで知られる阿寒湖、オンネトーなどの湖沼がある。また周囲にはエゾマツ、トドマツ、ミズナラなどの針広混合林があり、雄阿寒岳や雌阿寒岳山麓ではアカエゾマツの純林をみることができる。眺望スポットとして、ペンケトウ、パンケトウの両湖水を見下ろす双湖(そうこ)台が知られる。観光基地は阿寒湖温泉である。なお、阿寒湖は2005年(平成17)に、ラムサール条約登録湿地となった。

[古川史郎・編集部 2018年5月21日]


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