阿寒町北部にある阿寒国立公園内の三大湖の一つ。阿寒カルデラ内にある火山性の湖で、北方網走郡
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北海道東部,釧路市の北部にある湖。東岸に雄阿寒岳がそびえ,南岸に阿寒湖畔温泉があり,阿寒国立公園の一部となっている。面積12.7km2,水面の標高420m,富栄養湖である。カルデラ底にある湖だが,湖岸線は屈曲が多い。阿寒カルデラは,洪積世中期の激烈な火山活動ののち陥没によって形成されたもので,南部を除けば,長径20km,短径13kmの長円形に外輪山をたどることができる。はじめカルデラ底に形成された湖は,阿寒川の浸食により湖面は低下し,フレベツ,フップシ,雌阿寒の3火山の噴火により埋め立てられ,次いで沖積世初期に中央火口丘雄阿寒岳が活動に入って新たに堰止湖を作ったが,その後の活動によって雄阿寒岳は成長するとともに湖面の大部分を埋めて,現在の阿寒湖のほか北麓にパンケトウ,東麓にペンケトウなどを作った。これらの湖沼はいずれも雄阿寒岳の溶岩流による堰止湖であるから,雄阿寒山麓に接する部分だけでなく,湖岸は全体に堰止湖特有の溺れ谷による屈曲を示していて,湖面標高もそれぞれ異なっている。阿寒湖には,大島(オンネモシリ),小島(ポンモシリ),ヤイタイ島,チウルイ島と呼ばれる四つの小島があり,湖水は南東隅から阿寒川によって排水される。湖岸には原生林がせまり,春のエゾムラサキツツジ,初夏のシャクナゲ,秋の紅葉が彩りを添える。阿寒湖のマリモは特別天然記念物で,現在は北部の2ヵ所にのみ生育し,深度1~5mの湖底,あわせて0.1km2が生育地であり,チウルイ島にはその観察センターがある。ヒメマスの原産地の一つで,各地の湖沼に移し殖やされた。通常12月下旬に結氷,4月末解氷し,冬季には氷上釣りが行われる。湖の南岸中央部の阿寒湖畔温泉(硫黄泉,32~64℃)は観光基地で,温泉街の東側の湖畔に熱泥のわきあがるボッケがみられる。
執筆者:岡本 次郎
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北海道東部、釧路(くしろ)総合振興局管内の北西部にある火山性の湖水。周囲26キロメートル、面積13.3平方キロメートル、最大深度44.8メートル、水面標高420メートル。火山活動のために形成された長径約24キロメートル、短径13キロメートルの阿寒カルデラ中央部に雄阿寒岳(おあかんだけ)(1370メートル)が噴出したのち、周辺部の沈降と火山噴出物の堰止(せきとめ)によって生まれた。南東隅から阿寒川が流出する。湖岸は出入りが多く、湖中に大島、小島、ヤイタイ島、チゥルイ島が浮かぶ。北東部のチゥルイ川、キネタンペ川河口付近の水中にマリモが生息し、特別天然記念物に指定されている。日本におけるヒメマスの原産地であり、湖水ではワカサギの養殖が行われる。阿寒摩周国立公園(あかんましゅうこくりつこうえん)の景勝地の一つで、エゾマツ、トドマツ、シラカバなどの針広混交林が湖岸に迫り、春のエゾムラサキツツジ、秋の紅葉がとくに美しく、東方に雄阿寒岳、南西方に雌(め)阿寒岳(1499メートル)がそびえる。南岸に阿寒湖畔温泉(単純温泉。泉温約60℃)が湧出(ゆうしゅつ)し、集落が開ける。国道240号が通じ、これより分かれる241号で帯広(おびひろ)、弟子屈(てしかが)と結ばれている。なお、阿寒湖は2005年(平成17)に、ラムサール条約登録湿地となった。
[古川史郎 2018年5月21日]
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