陣座(読み)じんざ

精選版 日本国語大辞典 「陣座」の意味・読み・例文・類語

じん‐ざ ヂン‥【陣座】

九条年中行事(960頃か)四月「廿日以前奏銓擬郡領之儀〈謂之郡司読奏〉先外記申一上。定日之後仰所司。当日先於陣座、令蔵人奏読奏候之由」

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改訂新版 世界大百科事典 「陣座」の意味・わかりやすい解説

陣座 (じんのざ)

近衛または右近衛の陣に設けられた公卿の座。仗座(仗は武器の意)ともいった。近衛陣内裏警衛に当たる近衛の詰所で,左近衛陣は日華門内の宜陽殿西廂にあったが,のちに紫宸殿の東北廊南面(現在の京都御所の陣座の位置)に移った。右近衛陣は月華門内の校書殿東廂にあった。《吏部王記》の934年(承平4)の記事によれば,陣座は,天皇の御座所が清涼殿や飛香舎にあったときは右近衛陣に,弘徽殿にあったときは左近衛陣に設けられたが,近年は御座所との遠近にかかわりなく,左近衛陣に設けることが多くなったといい,その後の実例でも,公卿の本座のある宜陽殿に近い左近衛陣に設けられた例が多い。朝儀・公事の中心が朝堂院や太政官庁から内裏に移った平安中期以降は,陣座で公卿の議定陣定(じんのさだめ))や親王宣下などの公事が行われるようになった。また公卿は任官あるいは官位昇進などに際しては,公事奉行に先立ち,宜陽殿の本座と陣座に着く儀礼があり,前者を着座,後者を着陣といった。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「陣座」の解説

陣座
じんのざ

仗座(じょうのざ)とも。内裏の近衛陣に設けられた公卿らの座。左近衛陣は紫宸殿(ししんでん)東北廊の南面,右近衛陣は校書殿(きょうしょでん)東庇にあり,もっぱら前者が用いられた。元来は近衛官人の詰所であるが,9世紀中頃より臨時に官政や饗宴に使われ,光孝朝の頃から頻繁に審議(定)が行われるようになり,公卿の政務の場として定着した。朝儀の控所から陣定(じんのさだめ)・除目(じもく)に至るまで多様な用途をもった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陣座」の意味・わかりやすい解説

陣座
じんのざ

平安時代中頃から,内裏の左右近衛陣にあり,公卿が政務を評議するために着席した場所本来は近衛の詰所であったが,のちに公卿が会議などを行う場所となった。この会議を陣定 (じんのさだめ) とか仗議 (じょうぎ) とかいい,公卿は任官ののち必ず陣座に着くことになっていた。

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世界大百科事典(旧版)内の陣座の言及

【紫宸殿】より

…紫宸殿の北の宜陽殿とは二つの渡廊で接しているが,その南側は吹抜けで軒廊(こんろう)と呼ばれ,御占が行われる場所である(軒廊御卜)。また小庭をはさんだ北側は,中央を壁で仕切り,北側は東北廊,南側が陣座(じんのざ)である。陣座は左近陣座の略称で,仗座(じようざ)ともいい,天皇警固の陣がしかれ,後代には大臣以下高官が列座して,改元や親王宣下等の重要事項の議定の場所となった。…

※「陣座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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