改訂新版 世界大百科事典 「陸別」の意味・わかりやすい解説
陸別[町] (りくべつ)
北海道中部,十勝支庁足寄(あしよろ)郡の町。人口2650(2010)。地名はアイヌ語の〈リクン・ペッ(高い所・川)〉に由来する。十勝川の支流利別(としべつ)川の上流に位置し,町域の大半は原生林におおわれた傾斜地である。冬季の気温が道内で最も低い地域の一つで,寒暖の差が70℃に達する。中心集落は利別川と陸別川,斗満(とまむ)川の合流点付近にあり,北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(2006年廃止),国道242号線が通じる。1902年徳島県の医師関寛斎(1830-1913)らが入植,10年根室本線池田~陸別間に網走線(のちの北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)が開通し,本格的な開拓が進んだ。主産業は林業と酪農で,豊富な森林資源を背景に製材,木材加工業が行われる。また各河川沿いに牧草地が広がり,酪農が盛んである。旧陸別駅西方にアイヌの英雄カネランの居城跡とも伝えるユクエピラ・チャシ,東境に阿寒連峰を一望するカネラン峠がある。
執筆者:奥平 忠志
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報