陸別(読み)りくべつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「陸別」の意味・わかりやすい解説

陸別(町)
りくべつ

北海道中南部、十勝(とかち)総合振興局管内の町。十勝川支流利別(としべつ)川上流域と、利別川支流陸別川の流域を占める。町名アイヌ語の「リクンベツ」(高くて危ない川の意)による。1948年(昭和23)淕別村(りくんべつむら)が釧路(くしろ)国支庁から十勝国支庁に編入、1949年陸別村に改称、1953年町制施行。国道242号が通じ、十勝オホーツク自動車道陸別小利別(しょうとしべつ)インターチェンジがある。JR石北本線北見駅およびJR根室本線池田駅に通じていた北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線は、2006年(平成18)に廃止となった。町域の大部分森林で、古くから林業製材・木工製品加工が重要な産業であった。農地約4600ヘクタールのうち約76%が牧草地で、酪農が主体。乳牛頭数約7600頭(2015)。北部の小利別は零下37.1℃(1945)を記録したことがある。ユクエピラチャシ跡は国指定史跡。面積608.90平方キロメートル、人口2264(2020)。

[進藤賢一]

『『陸別町史』全3冊(1991~1994・陸別町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「陸別」の意味・わかりやすい解説

陸別[町] (りくべつ)

北海道中部,十勝支庁足寄(あしよろ)郡の町。人口2650(2010)。地名はアイヌ語の〈リクン・ペッ(高い所・川)〉に由来する。十勝川の支流利別(としべつ)川の上流に位置し,町域の大半は原生林におおわれた傾斜地である。冬季の気温が道内で最も低い地域の一つで,寒暖の差が70℃に達する。中心集落は利別川と陸別川,斗満(とまむ)川の合流点付近にあり,北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(2006年廃止),国道242号線が通じる。1902年徳島県の医師関寛斎(1830-1913)らが入植,10年根室本線池田~陸別間に網走線(のちの北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)が開通し,本格的な開拓が進んだ。主産業は林業と酪農で,豊富な森林資源を背景に製材,木材加工業が行われる。また各河川沿いに牧草地が広がり,酪農が盛んである。旧陸別駅西方にアイヌの英雄カネランの居城跡とも伝えるユクエピラ・チャシ東境に阿寒連峰を一望するカネラン峠がある。
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百科事典マイペディア 「陸別」の意味・わかりやすい解説

陸別[町]【りくべつ】

北海道東部,足寄(あしょろ)郡の町。十勝利別川上流部を占める。木材の大産地で,製材業も行う。乳牛の飼育など酪農も行う。608.90km2。2650人(2010)。

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