障子紙(読み)ショウジガミ

デジタル大辞泉 「障子紙」の意味・読み・例文・類語

しょうじ‐がみ〔シヤウジ‐〕【障子紙】

障子を張るのに用いる紙。

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精選版 日本国語大辞典 「障子紙」の意味・読み・例文・類語

しょうじ‐がみシャウジ‥【障子紙】

  1. 〘 名詞 〙 障子を張るのに用いる紙。主に、美濃紙をつぎ合わせて巻いたものを使った。
    1. [初出の実例]「障子紙如注文下行、厚紙百四十枚(公文所)」(出典:大乗院寺社雑事記‐長祿二年(1458)一二月一九日)

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改訂新版 世界大百科事典 「障子紙」の意味・わかりやすい解説

障子紙 (しょうじがみ)

明(あかり)障子にはる紙。障子紙の特徴としては,外光を柔らかく室内全体に拡散すること,騒音をさえぎること,外の空気湿度や温度を適度に和らげて室内に入れること,紙の美しさ,などがあげられる。日光に透かして鑑賞されるため,原料繊維が整然とそろっている紙が好まれる。そのためには,繊維の並ぶ方向を天地方向のみでなく左右にも均等に向けさせる,すぐれた紙すきの操作が必要となった。江戸時代に障子紙として最高と考えられたのは,美濃の直紙(なおしがみ)で,別に書院紙という名称も生まれ,紋書院のように透しの装飾をした障子紙もすかれた。当時,障子紙として評判の高かった紙は,ほかに周防陸奥下野の那須,安芸の広島などからも産した。このような,和紙の市場に障子紙専用として登場してくる紙ばかりでなく,地方で農業の副業としてすかれ,周囲の地域に供給されていた紙も障子紙として使われることが多かった。障子の規格が地域で違うことも,地方の障子紙生産を保護したのである。明治時代以後,明障子はさらに普及したため,障子紙の生産は盛んになり,手すき和紙の半数以上は障子紙となった。1960年ころから,機械すきのレーヨン障子紙が大量に出まわったこと,また生活様式が変わって障子が少なくなったことなどの理由で,手すき障子紙は急速に減少した。現在,手すきの障子紙は,高級な障子紙のみ残っており,美濃紙の本美濃紙在来書院改良書院内山紙の内山書院,土佐紙の土佐障子紙などが生産されている。
障子
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百科事典マイペディア 「障子紙」の意味・わかりやすい解説

障子紙【しょうじがみ】

障子をはるのに使う紙。強靭(きょうじん)で,光や空気をよく通し,変色しないことが要求される。昔はコウゾを原料とした手すき和紙を使用し,美濃の直紙(なおしがみ)が最高とされ,書院紙と別称された(美濃紙)。近年はコウゾ,化学パルプを原料とした機械ずきのものが常用され,合成繊維を主原料としたものも普及,継目のない一枚ばりのものも出ている。高知県,島根県,岐阜県をはじめ各地で生産。
→関連項目和紙

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「障子紙」の意味・わかりやすい解説

障子紙
しょうじがみ

障子の地紙。強靭で光線の透過がよく,多孔質で空気の流通が良好なうえに変色しにくいことが必要である。原料はコウゾ,化学パルプなどであるが,最近は化学繊維を主原料としたものが多量に生産されている。継ぎ目なしの一枚張りの生産もみられるが,幅,長さは各地の慣習上,障子の形が異なるので,半紙判のほかに美濃判,尺判,出雲判,鹿児島判などの幅寸法の異なるもの,および本間判,狭間判など長さの異なるものなど多種多様である。

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世界大百科事典(旧版)内の障子紙の言及

【美濃紙】より

…すなわち蕨生(わらび)を中心として,上野(かみの),片知(かたち),乙狩(おとがり),御手洗(みたらい),谷戸(やど)などで漉かれている。江戸時代の美濃紙を代表する紙は直紙(なおがみ∥じきし)で,障子紙としては最上級と評価された。障子紙は日光に透かして鑑賞されるため,繊維がむらなく整然と美しく漉き上げられていなければならない。…

※「障子紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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