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難題婿 なんだいむこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

難題婿
なんだいむこ

娘の父親が,娘の婿になりたいという男に難題を出し,それを解いたら娘を嫁にやるという昔話。娘が才覚をめぐらして男を助け,難題を解かせて首尾よく結婚する。難題にはいろいろなものがあるが,多くみられるのは灰縄を 1000束なえというもの,木の本末を判別する法を問うもの,あり通しとして知られている小さな穴に糸を通せというものなどがある。姨捨山 (おばすてやま) の伝説にも,捨てられる老人が難題の答えを教えたため,姨捨の風習がやんだとあるが,同様の難題が多くみられる。

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デジタル大辞泉の解説

なんだい‐むこ【難題婿】

男が課された難題を次々に解決することによって娘との婚姻が成立するという、一群の昔話。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

難題婿
なんだいむこ

昔話。婿が課された難題をどのようにして解くかを主題にした一群の婚姻譚(たん)。難題は結婚成立のための試験の意味をもち、話の興味も難題を解決する方法に焦点がある。難題を解くことが結婚の条件になっている昔話に「蜂(はち)の援助」がある。ハチを助けた男が、長者の出した難題を次々と解き、長者の婿になるという話である。娘の配偶者を決定する父親が出題者であることが多いが、女自身が課す例もある。「播磨糸長(はりまいとなが)」では、旅で知り合った男と別れるとき、女は自分の居所を知らせる謎(なぞ)歌または品物を残しておき、男はその謎を解いて女のところへ行き、再会する。この昔話は「鶴(つる)女房」の後段になっている例が多い。このように独立した昔話のほかに、異類女房譚の一部分を構成している場合が少なくない。「天人女房」「笛吹き婿」などもその例で、古くは『古事記』の大国主命(おおくにぬしのみこと)の婚姻譚のなかにもみえる。黄泉国(よみのくに)の須勢理毘売(すせりひめ)の父が課した難題を毘売の助言で解決し、めでたく結婚する話である。
 幸福な結婚を得るための試練としての難題の解決は、外国の昔話にもしばしばみられ、結婚前の若者に課せられた成人戒の習俗の反映ではないかともいわれる。異類女房譚型の「難題婿」の類話は東アジアにも多いが、これと並行して、東アジアからヨーロッパにかけて、「鶴女房」の古い例や「竜宮女房」「絵姿女房」などのような、妻の美しさにひかれた領主が、できなければ妻を差し出せといって難題を夫に課す「難題女房」の話が分布している。それぞれで、出題者の人間関係は異なっているが、夫にとって、妻との結婚が成り立つかどうかという点ではまったく同じで、この難題の要素の結合は、異類女房譚の本質にかかわる問題であろう。この種の昔話では、難題を解決する方策をたてるのは妻で、その点でも難題はたいせつな文芸的効果をもっている。[小島瓔

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