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鶴女房 つるにょうぼう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鶴女房
つるにょうぼう

日本の民話。異類婚姻譚の一つ。若い男に命を助けられたつるの報恩をテーマとするもので,つるが自分の羽で布を織る機織りと,その本態を隠すための「見るなの戒め」をモチーフとするものが多い。

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デジタル大辞泉の解説

つる‐にょうぼう〔‐ニヨウバウ〕【鶴女房】

異類婚姻譚の一。男に命を助けられた鶴が報恩のために嫁に来て、自分の羽で美しい布を織るが、やがて正体を見破られて去るという物語。羽衣伝説と同系のものとされる。

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百科事典マイペディアの解説

鶴女房【つるにょうぼう】

昔話。矢負いのツルを助けた貧しい男の家へ美しい娘がきて妻になり,珍しい織物を織る。男が約束を破ってのぞいて見るとツルが自分の羽を抜いて織っていたが,正体を見られて飛び去る。
→関連項目異類求婚譚

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

鶴女房 つるにょうぼう

昔話の主人公
傷ついた鶴が若者にたすけられ,人間に変身してその女房になり,自分の羽をぬいて機(はた)をおり,恩返しをする。作業中は機場をのぞくことを禁じるが,夫が禁をやぶったので,いずこへかさってしまう。動物報恩をともなう異類婚姻譚として全国的につたえられている。木下順二の戯曲「夕鶴」の素材。

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世界大百科事典 第2版の解説

つるにょうぼう【鶴女房】

異類女房譚。男に助けられた鶴が人間に姿を変えて嫁に来る。機屋(はたや)で布を織るに際しては,のぞかぬように男と約束をする。しかし,相手の破約によって,正体を知られて飛び去る,という話。各地に分布し,採集数も多い。嫁になる鳥は鶴が多いが,土地によってはヤマドリ,カモ,コウノトリ,キジなどと語る例もある。異類女房譚は,もともと男が女との約束を一方的に破って,悲劇的な結末を招くものである。女から課せられた約束事の一方的な侵犯である。

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大辞林 第三版の解説

つるにょうぼう【鶴女房】

昔話の一。男に命を助けられた鶴が恩返しのために嫁にきて、自分の羽で高価な布を織るが、正体を見破られて飛び去るというもの。異類婚姻譚・動物報恩譚の一種。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鶴女房
つるにょうぼう

昔話。動物と人間の男子との結婚を主題にした婚姻譚(たん)の一つ。貧しい男が、傷ついて地上に降りているツルを助ける。ある晩、美しい女が男の家に訪ねてきて、泊めてくれという。そのまま女は男の妻になり、機(はた)織りをする。織られた布は高く売れる。機を織るところを見てはならないという禁を破り男が機屋をのぞくと、ツルが体の羽を抜いて布を織っている。男がのぞいたのに気づいたツルは、そのまま飛び去る。動物の恩返しの要素が結び付いた異類女房譚である。ツルの織った布を西日本では「鶴の羽衣」とよんでいる。ツルのかわりにコウノトリになっている類話も多く、大阪の鴻池(こうのいけ)家の由来譚になっているものもある。結びが「播磨糸長(はりまいとなが)」の型をとり、水を入れた皿に針が置いてあったので、播磨国の皿池に行くと妻がいたとする類話も全国的に分布する。これらは大阪付近で成立した語り物に由来するのであろう。
 室町期の物語草子『鶴の草子』(1662年刊本、奈良絵本など)も「鶴女房」の一例であるが、この昔話に特徴的な機織りの要素が欠けている。刊本では、ツルが化した妻が持ってきた金で富み栄えたとある。物語草子には、美しい妻に領主が横恋慕する挿話がある。刊本では、妻を奪うために攻めてきた軍勢を、妻の霊力で追い払い、奈良絵本では、菜の種一石と「わざわい」というものを持ってこいという領主の難題を、妻の力で果たすことになっている。これは「難題女房」の特色で、笛の名人が天人を妻にする「笛吹き婿」の昔話や、その類話である物語草子の『梵天(ぼんてん)国』とも一致する。難題を果たすために妻の故国を訪問する挿話も共通しており、「鶴女房」と「笛吹き婿」は一つの物語から分化したものである。その原型に相当する「天人女房」の難題型は、朝鮮、中国、インド、トルコをはじめヨーロッパにも広く分布している。そのうち朝鮮や中国には女房を田螺(たにし)とする話が10世紀以前からあるが、日本の「蛤(はまぐり)女房」の昔話や物語草子の『蛤の草子』はその類話で、難題の趣向はないが、機を織る挿話は入っていて「鶴女房」に近い。「鶴女房」は一群の異類女房の昔話のなかから個性化したものであろう。「竜宮女房」や「竜宮女房」型の「絵姿女房」も難題を伴う異類女房譚の例である。[小島瓔

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世界大百科事典内の鶴女房の言及

【ツル(鶴)】より

…《幽明録》にもほぼ同趣向の話があり,美女の姓名は蘇瓊(そけい)で,従弟が杖で女を打つと雌の白に化したとある。白鶴,白はともに白鳥と同じであり,昔話でいう白鳥処女伝説,羽衣説話の一種であり,日本の〈鶴女房〉の昔話の前段をなすものである。しかし中国では鶴はその仙禽としての神仙趣味が強調されたためか,俗信,俗説,説話の方面に登場することはそれほど多くはない。…

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