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姨捨 おばすて

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

姨捨
おばすて

長野県北部,長野盆地の南端をなす冠着山 (かむりきやま) 北麓一帯の通称。『大和物語』や『今昔物語集』に出てくる棄老の伝説の場所といわれる。 JR篠ノ井線の姨捨駅から下方が中心地で,急傾斜面の階段状水田が広がり,ここに映る田毎の月は近世以来名高く,名勝に指定されている。

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姨捨
おばすて

能の曲名。三番目物。金春,喜多の2流では「伯母捨」と記す。作者は世阿弥説が有力。都の男 (ワキ) が同行者 (ワキツレ) とともに中秋の名月を眺めようと姨捨山へやって来る。そこに里の女 (前シテ) が現れ,この山に捨てられた老女のことなどを語って立去る。

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デジタル大辞泉の解説

おばすて〔をばすて〕【姨捨/伯母捨】

謡曲。三番目物観世宝生金剛喜多流。名月の夜、信濃の姨捨山に、昔この山に捨てられた老女が現れて舞をまう。「三老女」の一。

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百科事典マイペディアの解説

姨捨【おばすて】

能の曲目。伯母捨とも書く。鬘(かつら)物。老女物。五流現行。世阿弥作という。棄老伝説によるが,無惨な風習も,捨てられた恨みも浄化され,永遠の月への思慕と,絶対の孤独を描く。

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世界大百科事典 第2版の解説

おばすて【姨捨】

能の曲名。流派により〈伯母捨〉と書く。三番目物。老女物。世阿弥時代からある能。作者不明。シテは老女の霊。旅人(ワキ)が信濃の姨捨山に赴くと,中年の女に声を掛けられる。女は,ここは昔老女が捨てられた所だと教え,自分は実はその老女の霊だと明かして消え失せる。夜になると,澄みわたる満月の光に照らされて,白髪の老女が姿を現す。老女は,月天子(がつてんし)は勢至菩薩と同体で阿弥陀如来の脇侍であると説き,極楽の有様を描き(〈クセ〉),昔を懐かしんで舞を舞うが(〈序ノ舞〉),旅人が帰ったあとも,昔のようにひとり取り残されて立ち尽くす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

姨捨
おばすて

能の曲目。三番目物。五流現行曲。ただし金春(こんぱる)流は昭和の復曲。金春、喜多流は「伯母捨」と表記する。世阿弥(ぜあみ)作。都の男(ワキ)が仲秋(ちゅうしゅう)の名月にあこがれて信濃(しなの)国(長野県)の姨捨山に登ると、寂しげな中年の女(前シテ。老女の扮装(ふんそう)にする場合もある)が現れ、昔捨てられた老女が「わが心なぐさめかねつ更科(さらしな)や姨捨山に照る月を見て」と詠んだ旧跡だと語り、自分がその本人であり、月の出とともにふたたびと告げて消える。月が澄み渡ると白衣の老女(後シテ)が現れ、月をめでつつ月にちなむ仏説を語り、静かに舞い興じる。夜が明け旅人が去ると、老女はまた寂しく山に残される。老女の霊が捨てられた悲しみも孤独な死のむごさもあらわには再現せず、むしろ月の精のような澄み切った美しい存在に昇華されているところに能の主張がある。棄老伝説の残酷さは間狂言(あいきょうげん)の里人の物語に集約されている(嫁のそそのかしで、男が親同様に養われた盲目の伯母を山に捨てた話)。『関寺小町(せきでらこまち)』『檜垣(ひがき)』に次ぐ最奥の能として、三老女とよばれている。年齢、芸劫(げいこう)に優れないと上演できない曲である。なお、同じ棄老をテーマとする深沢七郎作の『楢山節考(ならやまぶしこう)』を、新作狂言として野村万作ほかが上演したことがある。[増田正造]

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世界大百科事典内の姨捨の言及

【楢山節考】より

…各地の姨捨(うばすて)伝説に取材して,老人は70歳になると捨てられるという習慣のある信州の村の物語として書かれた深沢七郎(1914‐87)の小説(1956)。中央公論新人賞当選作のこの小説で深沢は文壇に登場,土俗の闇にひそむ人間感情をえぐりだす特異な作風で注目された。…

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