雨竜(読み)アマリョウ

デジタル大辞泉 「雨竜」の意味・読み・例文・類語

あま‐りょう【雨竜/×竜】

中国想像上動物。竜の一種トカゲに似た大きなからだで、角はなく、尾が細長い。全身青黄色という。あまりゅう。

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精選版 日本国語大辞典 「雨竜」の意味・読み・例文・類語

あま‐りょう【雨龍・螭龍】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国における想像上の動物。雨を起こすといわれる。龍の一種で、とかげに似ているが、大形で、角がなく、尾は細く、全身青黄色という。うりょう。あまりゅう。みずち。
    1. <a href=雨龍〈和漢三才図会〉" />
      雨龍〈和漢三才図会〉
    2. [初出の実例]「雨龍(アマレウ)や吟じておこる花の雲〈正良〉」(出典:俳諧・毛吹草追加(1647)上)
  3. キノボリトカゲなど熱帯産のトカゲの称。昔、長崎に渡来し、飼育されていたという。
    1. [初出の実例]「定まってよいものは今まで見せぬ螭龍(アマレウ)の子」(出典:浮世草子・世間胸算用(1692)四)
  4. 図案化した紋所の名。龍紋の一種。
    1. [初出の実例]「帯は黒の唐純子(とうどんす)に、雨龍(アマリャウ)の丸く飛々に織いだせし九寸巾」(出典:人情本春色辰巳園(1833‐35)後)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「雨竜」の意味・わかりやすい解説

雨竜(町)
うりゅう

北海道中西部空知(そらち)総合振興局管内にある町。1961年(昭和36)町制施行。町名はアイヌ語「ウリロペツ」(鵜(う)の川)説、「ウリウ」(意味不明)説など。雨竜川右岸、石狩川合流部の低平地から、西は暑寒別(しょかんべつ)岳に及び、大半は増毛(ましけ)山地となっている。国道275号が通じる。1890年(明治23)6華族の出資で、雨竜川左岸を含む平野に、雨竜組合農場が開かれたのに始まる。ここは蜂須賀(はちすか)、戸田などの農場が、大規模な水田開発にあたり、いまも耕地の大半が水田で、空知穀倉地帯の米どころである。米の生産調整により、メロン、キヌサヤエンドウなどの作物もふえた。西部の山地は暑寒別天売焼尻(てうりやぎしり)国定公園に属し、高層湿原として有名な雨竜沼があり、施設整備により観光客も多い。なお、雨竜沼湿原は2005年(平成17)に、ラムサール条約登録湿地となった。面積191.15平方キロメートル、人口2389(2020)。

[柏村一郎]

『『雨竜町史』(1969・雨竜町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「雨竜」の意味・わかりやすい解説

雨竜[町] (うりゅう)

北海道中央部,空知支庁雨竜郡の町。人口3049(2010)。石狩川の北西岸に位置し,西端に暑寒別岳(1492m)がそびえ,町域の大部分を増毛(ましけ)山地が占め,森林面積は7割に達する。1891年華族組合農場の設置によって開け,東部の平野部は恵岱別(えたいべつ)川,尾白利加(おしらりか)川に水利を得て早くから水田の造成が進み,水田地帯が展開している。暑寒別岳一帯は道立自然公園に指定され,東山腹標高850mの溶岩台地には道指定の天然記念物雨竜沼高層湿原帯がある。東西4km,南北1kmの泥炭沼沢地で,浮島を伴う大小百数十の池沼があり,湿原植物の群落はしばしば尾瀬に比較される。
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百科事典マイペディア 「雨竜」の意味・わかりやすい解説

雨竜[町]【うりゅう】

北海道雨竜郡の町。増毛(ましけ)山地から石狩川,雨竜川の合流点に至る地域にあり,川沿いの低地に水田が開ける。西部には,高層湿原の雨竜沼があり,2005年にラムサール条約登録湿地となる。191.15km2。3049人(2010)。

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