増毛山地(読み)マシケサンチ

デジタル大辞泉 「増毛山地」の意味・読み・例文・類語

ましけ‐さんち【増毛山地】

北海道中西部にある山地。西は日本海に臨み、100メートル前後の海食がいが続く。標高1492メートルの暑寒別岳があり、その東側中腹には雨竜沼湿原がある。

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日本歴史地名大系 「増毛山地」の解説

増毛山地
ましけさんち

北海道の日本海側、留萌空知石狩の三支庁にまたがる山地。樺戸かばと山地ともいう。南西は石狩湾に臨み、南から東にかけては石狩川流域の石狩平野が広がり、北は留萌川を挟んで天塩山地が連なる。一二〇〇メートル級の洪積世前期の暑寒別しよかんべつ火山群が日本海に面し、西部は雄冬おふゆ岬を中心に断崖をなしており、これら一帯は暑寒別天売焼尻しよかんべつてうりやぎしり国定公園のうち。石狩平野に臨む南東部は新第三紀の堆積岩からなる丘陵性山地で、狭義の樺戸山地にあたる。主峰の暑寒別岳(一四九一・四メートル)の南西に群別ぐんべつ(一三七六・三メートル)、西に浜益はまます(一二五七・七メートル)雄冬山(一一九七・六メートル)、南東に南暑寒別みなみしよかんべつ(一二九六・三メートル)、東に恵岱えたい(一〇六〇・六メートル)などが連なり、北の留萌側に暑寒別川・信砂のぶしや川、東の石狩川側に恵岱別えたいべつ川・徳富とつぷ川などが流れる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「増毛山地」の意味・わかりやすい解説

増毛山地
ましけさんち

北海道西部の山地。別名樺戸山地(かばとさんち)。東と南は石狩平野に接し、西は日本海に臨み、北は留萌(るもい)川河谷によって天塩(てしお)山地と境される。東半部は大部分新第三紀の丘陵性山地で、北西部にはこれらを基盤として暑寒別(しょかんべつ)岳(1491メートル)、南暑寒岳、群別(ぐんべつ)岳、浜益(はまます)岳、雄冬(おふゆ)山など1000メートルを超える開析火山があり、暑寒別火山群を形成している。火山群はいずれも活動停止後長い期間を経て、山体は原形をとどめぬほど侵食されている。南暑寒岳の東の溶岩台地には雨竜沼湿原(うりゅうぬましつげん)があり、日本海岸は高さ100メートル内外の海食崖(がい)が続き、雄冬岬などがある。火山群と雨竜沼、雄冬海岸などを含む地域は、暑寒別天売焼尻(てうりやぎしり)国定公園に指定されている。

岡本次郎


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改訂新版 世界大百科事典 「増毛山地」の意味・わかりやすい解説

増毛山地 (ましけさんち)

北海道西部,石狩平野の北部にある山地。樺戸(かばと)山地とも呼ぶ。留萌(るもい)川,雨竜川,石狩川と日本海に囲まれ,標高100m前後の海食崖が続く日本海側には雄冬(おふゆ)岬があり,海岸段丘もわずかに見られる。山地には暑寒別(しよかんべつ)岳(1492m)を最高峰に,雄冬山(1198m),浜益岳(1258m)などの標高1000~1400mの連峰があって,暑寒別火山群を形成している。これら火山群の東側には900~1000mの溶岩台地がある。これらの火山群の火山体は開析が進んで,原形をとどめていない。山地南東部には400m前後の浸食面上に残丘のようにみえる神居尻(かむいしり)山(947m),賓根(ぴんね)山(1100m),隈根尻(くまねしり)山(971m)がある。暑寒別道立自然公園に指定されており,海岸美と山岳美で夏には海水浴客,登山客でにぎわう。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「増毛山地」の意味・わかりやすい解説

増毛山地
ましけさんち

別称樺戸 (かばと) 山地。北海道中西部にある山地。最高峰は暑寒別岳 (1491m) 。大部分が安山岩から成り,雄冬山 (1198m) ,群別岳 (1376m) などが連なる。日本海に突出している西側の海岸は約 100m前後の海食崖を形成,暑寒別岳東麓には雨竜沼湿原がある。暑寒別岳周辺は,天売・焼尻両島とともに,暑寒別天売焼尻国定公園に属する。

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