雲平糖をつくる種(たね)のこと。雲平は砂糖にみじん粉を混ぜ、ヤマノイモをすり下ろしてこね固めてつくる。主として干菓子細工の材料に用いる。一片(ひとひら)の雲のような素材であることからこの名がついたといわれるが、雲平という人の創始説もある。干菓子細工そのものは江戸中期ごろから始まり、幕末には諸大名の献上菓子として需要が多かった。これは飾り菓子であり、京干菓子職人の独壇場でもあった。雲平細工が、独立した飾り菓子として干菓子細工に仲間入りするのは、幕末開港後に、無関税で安く良質な純白の精糖が輸入されてからである。純白糖は彩色の上がりも映えるので、京の職人たちは互いに競い合って、工芸菓子ともいわれる特殊技術菓子を完成させた。雲平細工は花鳥や瑞祥(ずいしょう)をかたどったものをおもに手がけるが、その技術には絵心と鋭い観察力、卓抜した写実性も含まれるので、今日でも雲平を自在にこなす菓子職人の数は少ない。雲平と併用される素材に、白漉し餡(こしあん)を打って種とする餡平(あんぺい)がある。餡平は柔らかみを表現したい部分に使用され、雲平よりは細工が容易だが、打ち方が悪いと垂れる心配もある。
[沢 史生]
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